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阿武急ダイヤ復活に地元歓迎 「コロナ警戒続く、誘客増はまだ遠く」

宮城県内の阿武急沿線で乗降者数の多い角田駅。台風19号や新型コロナの影響で利用は大きく落ち込んでいる

 昨年10月の台風19号で被災した第三セクター鉄道阿武隈急行(福島県伊達市)の丸森(宮城県丸森町)−槻木(同柴田町)で昼時間帯や夜遅くの運行が再開した27日、沿線の駅周辺では、飲食店や宿泊、観光施設がダイヤの復旧を一様に歓迎した。一方で新型コロナウイルス感染拡大への警戒は続き、誘客の伸びは期待できない状況だ。
 宮城県内の阿武急沿線で特に乗降者数が多い角田駅(角田市)。1日平均は昨年9月が約1600人だったが台風後は半分以下に減り、さらに新型コロナ問題で今年5月は約290人にまで落ち込んだ。
 みやぎ仙南農協が駅近くで運営する地ビールレストラン「仙南シンケンファクトリー」は台風以前、土日曜の日中は1日当たり150〜180人の来客があった。阿武急が昼時間帯に運休してからは、ほぼ半減したという。
 マネジャーの大塚昇さん(48)は「大事な鉄道であることを改めて実感した」と増便に胸をなで下ろすが、新型コロナの影響は収まっていない。自粛していた営業は1カ月ほど前に再開。大塚さんは「厳しいことばかりだが、リピーターは多いので期待に応えたい」と語る。
 角田駅前の宿泊施設「ゲストハウス66」は、仙台圏で開かれる大型コンサートの客が列車で訪れることが多かった。施設運営会社のマネジャー舟山直道さん(29)は「夜遅くの運行が再開したのが宿泊施設にはプラスだが、新型コロナでイベントの自粛が続いているので客足の回復はまだ遠い」と話す。
 丸森駅の近くでは、町観光物産振興公社が観光船「阿武隈ライン舟下り」の営業を26日に再開したばかり。1隻当たりの乗客定員を半分にして運航しており、公社の大橋裕寿事務局長は「仙台方面から乗客を呼び込める」と増便を喜んだ。
 阿武急は10月の全線営業再開を目指しており、公社は秋の行楽シーズンで福島方面からの誘客を見込む。大橋事務局長は「それまでに感染が再び拡大しなければいいが…」と願うばかりだ。


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2020年06月28日日曜日


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