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マスク着用に法廷戸惑い 仙台地裁の刑事裁判、表情伝わらず

新型コロナ感染拡大防止のため座席に紙を張り、傍聴人の間隔を空けている法廷=仙台地裁
約3カ月ぶりに裁判員裁判が再開された東京地裁の法廷。裁判官や裁判員、検察官はいずれもマスクを着用し、審理に臨んだ=2日

 法廷でのマスク着用を巡り、法曹関係者の間で賛否両論が上がっている。新型コロナウイルス感染防止の観点から、弁護士や検察官の多くは必要性に理解を示し、仙台地裁で開かれる直近の刑事裁判は、当事者のほとんどがマスクを着けて公判に臨んでいる。一方、マスクが顔半分を覆うことで当事者の表情をうかがい知れなくなり、弁護への支障や被告の不利益を懸念する声も聞かれる。
 仙台地裁で11日にあった刑事事件の初公判。発言内容が伝わらなかったとして弁護人が一時、着けたマスクを外した。間髪入れず裁判官が着用を促し、弁護人は困惑気味に着け直した。
 弁護人は公判後の取材に「はっきり話すように心掛けても声がこもってしまう。マスクを着けさせるにしても、マイクを積極的に活用するなど裁判所も工夫してほしい」と要望した。
 仙台地裁はウェブサイトなどで、傍聴人らにマスクの着用を促している。感染拡大で期日が延期された裁判員裁判では、裁判員の間にアクリル板を設置するなどの対策を検討している。
 宮城刑務所によると仙台拘置支所など管轄の収容施設では4月中旬から、出廷する全員にマスクの着用を義務付けている。
 弁護士からは戸惑いの声も聞かれる。ある弁護士は「被告の利益を考えれば、被告や証人の反対尋問など重要な局面では、マスクを外してしっかりと質問したい」と話す。
 中でも影響が懸念されるのは裁判員裁判。裁判員は職業裁判官に比べ、法廷に立った被告らの表情やしぐさから、供述の信用性や反省の度合いなどを読み取る側面が大きいとの指摘が一部にある。
 別の弁護士は「鼻から下が見えず、判断材料となる情報量が減り、被告にマイナスの結果が出ないか不安だ」と懸念する。東北のある地検幹部も「質問に対する動揺など被告の表情が伝わらず、追及する側にもやりづらさはあると感じている」との考えを示す。


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2020年06月29日月曜日


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