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石巻の99歳女性の遺骨、親族の元へ 「ようやく供養できる」 震災で不明

阿部さんの遺骨を受け取る管野さん(右)

 東日本大震災の約2カ月後に宮城県石巻市竹浜で見つかった遺体が同市南浜町の阿部きうさん=当時(99)=と判明し、市は2日、保管していた遺骨を阿部さんの親族に引き渡した。

 市内に住むおいの管野一之さん(79)が同市南境の石巻霊園で遺骨を受け取った。管野さんは「ようやく供養できる。本人も喜んでいると思う」と語った。
 阿部さんは1人暮らしだった。管野さんが月に2、3回自宅を訪れ、ストーブの灯油を補給したり正月飾りを付けたりと身の回りを手伝っていた。10人きょうだいの長女でしっかりした性格だったという。「高齢でできないことは増えていたが、日常生活はきりっとしていた」と振り返る。遺骨は市内に納骨された。
 宮城県警によると、阿部さんの遺体は2011年5月19日、自宅から十数キロ離れた入り江のがれきから見つかった。
 身元判明の決め手になったのは、同一母系に遺伝する「ミトコンドリアDNA型」だった。阿部さんの妹2人と管野さんのDNA情報を基に鑑定を実施。地区の行方不明者や遺体の骨格を基に作った似顔絵などの情報と合わせて特定した。
 阿部さんの身元判明により、県内で見つかった震災に伴う身元不明遺体は7体となった。県警捜査1課の菅原信一検視官は「9年以上がたち捜査の難しさも日に日に増している。一件でも多く情報を寄せてほしい」と話した。


2020年07月03日金曜日


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