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釜石・鵜住居の仮設追悼施設解体へ 週明けに作業開始

解体される仮設追悼施設。住民らが犠牲者の冥福を祈った

 東日本大震災で多くの犠牲者を出した釜石市鵜住居地区にある仮設追悼施設が解体されることになり、3日、現地で式典があった。住民や市職員ら40人近くが参列。犠牲者の冥福を祈るとともに施設との別れを惜しんだ。
 追悼施設は地区の復興まちづくり協議会が2013年8月、津波で住民160人以上が亡くなった市鵜住居地区防災センターの解体に伴い隣接地に設置。復興工事の進展で15年2月、高台の常楽寺に移設した。
 地区の627人を含めた市民の全犠牲者1064人を悼む場として多くの人が訪れてきた。19年3月に市の追悼施設「釜石祈りのパーク」が防災センター跡地に完成。協議会は仮設施設の役目を終えたと判断し解体を決めたという。
 式典では常楽寺の藤原育夫住職が読経する中、参列者が焼香し手を合わせた。あいさつに立った野田武則市長は「施設は解体されるが、震災の犠牲を決して忘れてはならない。釜石市がある限り永遠に検証と供養を続ける」と誓った。
 解体作業は週明けに始まる予定。訪問者が思いをつづったノート、千羽鶴などの供物は市が保管する。協議会の佐々木憲一郎会長は「世界中の人を案内してきた場所なので感慨深い。ありがとう、ご苦労さまという気持ち。これからは祈りのパークを地域全体で大切に守っていく」と語った。
 震災で多くの親類と知人を失ったという住民の小野寺喜代子さん(73)は「お墓参りと合わせていつも来ていた。震災から9年以上たつが、昨日のことのように悲しみが募ってくる」と静かに話した。


2020年07月04日土曜日


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