岩手のニュース

125年前検疫に献身、再注目 後藤新平の功績展示 独自の発想で流行阻止

検疫所の写真などを展示する特別展
検疫事業当時の後藤新平(後藤新平記念館所蔵)

 奥州市出身の政治家、後藤新平(1857〜1929年)が125年前に手掛けた日清戦争帰還兵の検疫事業に関する特別展が、奥州市後藤新平記念館で開かれている。新型コロナウイルス感染症が流行する中、その功績が注目されており、4月までだった会期を11月1日まで延長した。

 台湾近代化や関東大震災からの東京復興など多くの業績がある後藤は、福島・須賀川医学校で学んだ医師でもあった。内務省衛生局長を経て、日清戦争が終わった1895年、陸軍検疫部の事務官長に起用された。
 当時、中国大陸ではコレラなどの感染症が蔓延(まんえん)しており、約23万人の帰還兵がそのまま帰国すれば国内での流行が懸念された。
 そこで後藤は公衆衛生の知識を生かし、広島・似島(にのしま)など3カ所に検疫所を設置し、帰還兵全員の検疫を実施。健康な者は消毒風呂に入れ、症状のある者は隔離する措置を取った。荷物は北里柴三郎が監修した装置で蒸気消毒し、流行を阻止した。
 特別展では、検疫所の写真や後藤が作成した検疫手順図など9点を展示。世界史上類を見ない大規模検疫としてドイツ皇帝が感嘆したことを紹介している。
 記念館の佐藤彰博館長は「後藤はどのポジションでも業績を残した人。検疫事業でも新しい発想でビジョンを描くと同時に、高い事務遂行能力で結果を出した」と話す。
 入場料200円、高校生以下無料。月曜休館。連絡先は記念館0197(25)7870。


関連ページ: 岩手 文化・暮らし

2020年07月06日月曜日


先頭に戻る