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女川2号機の地元同意差し止め請求却下 仙台地裁

東北電力女川原発

 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の重大事故を想定した広域避難計画に実効性がないとして、原発の半径30キロ圏内に住む石巻市民17人が、宮城県と同市に再稼働の事実上の前提となる地元同意の差し止めを求めた仮処分で、仙台地裁は6日、住民側の申し立てを却下した。住民側は即時抗告する。
 大寄麻代裁判長は、2号機で重大事故が起きる危険性について住民側が主張せず、避難計画の実効性が欠如しているという事実のみを挙げているとし「人格権が侵害される具体的な危険性があると解することはできない」と結論付けた。
 経済産業相に対する知事の同意や東北電と立地自治体の安全協定に基づく事前了解については、差し止めの対象となり得るとの認識を示した上で「東北電または政府に、再稼働を積極的に求める性質のものと言えない」と指摘。再稼働を決めるのは2号機の設置主体である東北電だとして、地元同意と再稼働の直接的な関係を否定した。
 決定は計画の実効性に言及せず、県・市側の主張をおおむね、受け入れた。
 住民側は昨年11月に仮処分を申請。6回に及ぶ審尋で「交通渋滞で30キロ圏を脱出できない」などと計画の問題点を列挙。再稼働で原発事故が起こる確率が高まり「現状の計画下で避難を強いられる住民の身体や生命に危険が生じるのは確実」と主張し、同意により人格権が侵害されると訴えていた。
 決定を受け、住民側代理人の小野寺信一弁護士(仙台弁護士会)は「東京電力福島第1原発事故後、事故が起きる可能性を前提に避難計画の策定が求められた経緯を無視した決定で残念。計画の実効性にも触れず、肩透かしを食らった」と語った。

<主張認められた/村井嘉浩宮城県知事の話>
 県と石巻市が主張してきたことが認められた決定と考える。決定書を受領したばかりで、これ以上のコメントは差し控える。経済産業相から求められている「地元同意」への回答は、県の有識者検討会、市町村長、県議会などの意見を聞き、しかるべき時期に判断したい。

<住民の声を聞く/亀山紘石巻市長の話>
 宮城県と市の考え方が認められたことになる。詳細な中身はまだ見ておらず、吟味が必要だ。「地元同意」に関しては、説明会に足を運んで住民の声を聞きたい。住民の代表である議員と意見を交換し、方針を決定する。


2020年07月07日火曜日


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