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福島・飯舘の菅野村長が引退表明 原発事故後の復興を陣頭指揮

原発事故後の苦闘の日々を振り返る菅野村長

 東京電力福島第1原発事故に伴い全域避難が約6年間続いた福島県飯舘村で、復興の陣頭指揮を執ってきた菅野典雄村長(73)が引退を表明した。「原発事故後は毎日が大きな決断の連続だった」。記者会見では早期の避難指示解除を目指す上での信念を語った。
 6期24年での最大の政治決断を問われ、菅野氏は帰還困難区域を面的に除染しなくても避難指示を解除するよう求めた国への要望を真っ先に挙げた。
 要望は今年2月。2023年春の避難解除を目指して除染が進む特定復興再生拠点区域(復興拠点)と同時に、拠点外も一括解除する構想だ。
 復興拠点を抱える他の自治体から「国の責任を曖昧にする」と反発を招き、先月25日には6町村でつくる協議会を離脱した。早期の避難解除を念頭に「住民にとってベストではないかもしれないが、ベターな選択をしてきた」と話す。
 村は除染による除去土壌を再利用する国の実証事業にも手を挙げ、周辺の除染や環境整備につなげた経緯がある。
 菅野氏は「被害者と加害者の関係だけでは済まないこともある。相手の立場を尊重し、こちらの立場も理解してもらって物事を進めることが結果的には住民のためになる」と述べた。
 その上で「(避難地域解消の)レールを敷いた自負はある。行政は継続性が重要」と語り、新村長にも同一路線の継承を望んだ。
 村の居住人口は約1400にとどまり、住民登録の5359(5月末現在)を下回る。「(避難後間もない)当時の予想よりは戻らなかった」と帰還政策の難しさを率直に振り返った。


2020年07月07日火曜日


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