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名取、角田2市長選で新しい選挙模索 接触避ける訴えにもどかしさ募る

告示日の5日、ある陣営ではスタッフがフェースシールドとマスクを着用し、来場者の体温を測った

 12日投開票の宮城県名取、角田両市長選で、各候補が新型コロナウイルスの感染予防への対応に追われている。感染拡大後に行われる県内の首長選は今回が初めて。各陣営は密閉、密集、密接の「3密」になりやすい従来型の選挙運動を見直し、「新しい選挙方式」を模索しながら支持拡大を目指す。

 名取市長選の山田司郎候補(57)は透明フィルムで口元を覆う「マウスシールド」を着用し、各地で街頭演説を重ねる。聴衆と握手はせず、代わりにグータッチを交わして浸透を図る。
 山田候補は「難しい制約がある中での選挙戦だが、これがこれからの当たり前になってくる」と強調。臨機応変な対応を通じて「変化をチャンスに変える」と政治姿勢をPRする。
 対する大久保三代候補(43)は告示日の5日、感染予防のため、動画投稿サイト「ユーチューブ」に第一声の動画を公開した。ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使った個人演説会も企画している。
 大久保候補は「インターネットをうまく活用すれば、自宅で選挙運動ができる。子育て中の主婦には追い風だ」と、積極的にネット選挙を取り入れる。
 角田市長選の3候補は、屋内で集会を開くかどうかで対応が分かれた。
 黒須貫候補(55)は公共施設で個人演説会を連日開く。会場で来場者に対して検温し、手指消毒やマスク着用を呼び掛ける。
 他の2陣営は屋内での集会を見送る方針。選挙カーで遊説し、街頭演説を中心に票の上積みを狙う。
 「もともと街頭演説を重視するスタイル」と語るのは武田暁候補(45)の陣営。運動員はフェースシールドを着用し警戒を強める。
 木村伸一候補(67)の陣営は「新型コロナに対する市民の危機意識は高い」として、屋内に集まるリスクを全面的に回避する。
 3陣営とも悩みの種になっているのは支持者との握手。「手を差し出されれば断りづらい」との声も漏れる。屋外中心の陣営は梅雨空も懸念材料となる。告示前の決起集会を空き地で開いたところ、激しいにわか雨に見舞われた陣営もあった。
 両市長選を戦ういずれの候補も、限られた日程の中で、一人でも多くの人に訴えを届けようと必死に戦略を練る。しかし、人が集まれば、消毒や検温を求め、距離を保ち…ともどかしさが募る。「今回の選挙は新型コロナとの戦いでもある」とある陣営。目に見えぬ大敵を前に、試行錯誤が続く。


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2020年07月08日水曜日


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