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<Eパーソン>個性尊重し人材育成

片倉文博(かたくら・ふみひろ)慶大卒。1982年NEC入社。2009年NECトーキン(現トーキン)に移り、17年取締役執行役員常務、19年マグネティック・センサ&アクチュエータ事業本部長を兼務、20年7月代表取締役執行役員社長。60歳。東京都出身。

◎トーキン 片倉文博 社長 

 電子部品製造のトーキン(宮城県白石市)の新社長に1日就任した片倉文博氏が、河北新報社の取材に応じた。国内外の製造業は新型コロナウイルス禍で自動車関連を中心に打撃を受けているが、中長期的な成長性は変わらないと展望。素材の特性を生かした製品開発や、個性を尊重した人材育成に力を注ぐ方針を示した。(聞き手は報道部・高橋一樹)

 −8年ぶりの社長交代。力を入れる取り組みは。
 「多様な人材の育成に力を注ぎ、社員の個性を生かす経営をしたい。マネジメント層を目指すだけでなく、研究開発や販売に特化するなど、本人の意向に基づいて、いくつかのキャリアパスを用意できる人事制度に変えていきたい」

 −新型コロナ感染拡大の影響はどうか。
 「リモートワークで使うパソコン機器や、巣ごもり需要のあったゲーム機向けが堅調で、第1四半期(4〜6月)の売上高は計画を10%上回った。今後はペースが落ちると思う。海外出張ができず、ベトナムやタイの工場で新製品の生産を始められないのが痛い。物流コストも上がっている」
 「白石や仙台で開発し、海外で生産するという分担でやってきたが、コロナを経験して海外拠点の自立化も必要と感じた。派生製品の製造や品質保証を現地でできる態勢にしたい。製品や国でバランスを取り、大きな波を受けないビジネスにする」

 −今後の事業展開は。
 「自動車の電装化が進み、電子部品業界にとって関連市場の成長が続くとの見立ては変わらない。第5世代(5G)移動通信システムへの移行もビジネスチャンス。主力の電磁ノイズ抑制シート『バスタレイド』の耐熱温度を高めるなど、ニーズに応じた素材の研究や製品開発を進める」
 「東北大青葉山キャンパスで2023年度稼働予定の次世代型放射光施設に、当社製の電磁石3種類を納入することが決まった。受注額は約30億円。素材の解析ができる施設で、ユーザーとしての期待も大きい。将来的にはスプリング8(兵庫県佐用町)の一新でも受注を目指す」

 −17年に傘下入りした米電子部品製造ケメットとの協業をどう深めるか。
 「19万社の取引先を持つケメットのデジタルツールを活用して小口販売『ロングテール』の割合を高め、販売先は当初の約1000社から1万社に増えた。3年後には1万5000社にしたい。ケメットのコネクションを使って海外顧客を広げていく」


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2020年07月11日土曜日


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