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津軽の伝統長靴「ボッコ靴」 ビームスがスリッポンに

工房でボッコ靴を製作する工藤さん
ビームス限定で販売されているスリッポン
工房でボッコ靴を製作する工藤さん

 青森県津軽地方の伝統的な長靴「ボッコ靴」の製法で作られた履き口が大きい靴スリッポンが、セレクトショップ「ビームス」(東京)で販売されている。唯一の職人である黒石市の工藤勤さん(52)が、地場産品の掘り起こしに力を入れるビームスの提案を受けて開発した。

 天然ゴム100%のボッコ靴は、大正末期に弘前市で誕生したとされる。丈夫で保温性に優れ、リンゴ農家やマタギが愛用した。呼び名の由来は、温かさを連想させる「日なたぼっこ」など諸説ある。1980年代に姿を消し、工藤さんが2005年に復活させた。
 新製品を提案したのは、ビームスジャパンの鈴木修司ディレクター(44)。「青森の自然の厳しさが伝わる素朴な見た目に心を奪われた」という。昨年12月、店頭や通販サイトで発売。その後、「もう少し気軽に履けるタイプができないか」と持ち掛けた。
 工藤さんがボッコ靴の派生商品を作るのは初めて。3週間ほどかけてデザインを練り上げた。「季節を問わず、カジュアルに履きこなせるデザインを意識した。天然ゴム特有の柔らかな履き心地を体感してほしい」と話す。
 商品はビームスジャパンの店舗や通販サイトなどで購入できる。24〜28センチの五つのサイズがあり、2万6400円。

◎80年代に消え 10年かけ復活

 ボッコ靴は安価な合成ゴム製に押されて1980年代に姿を消した。工藤さんは復活を求めるかつての愛用者の声に応えようと、10年かけてよみがえらせた。
 工藤さんは家業の靴・かばん店を継ぐため東京から26歳でUターン。「ボッコ靴じゃねばまいね(駄目だ)」。毎日のように寄せられる客の声に押され、復活を思い立った。
 ボッコ靴の実物は既になく、図書館などで資料を探したが手掛かりは得られない。たまたま見つかった型紙を頼りに、かつて店で働いていた職人に製法を教わった。
 天然ゴム確保のめどもつき、2005年に製造と販売を始めた。全て手作業のため、作れるのは1日1足が限界という。連絡先は工藤さんが社長を務めるKボッコ0172(52)2181。


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2020年07月15日水曜日


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