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手作り防護服で支援の輪 気仙沼女性グループ起点、首都圏病院へ3万着超

気仙沼事務局に届けられた手作りの防護服を検品するスタッフ=気仙沼市南町海岸

 新型コロナウイルスの感染拡大で不足する医療用防護服を手作りし、首都圏の病院などに寄贈する活動が、気仙沼市から広がっている。これまでに送った防護服は計3万着以上。東日本大震災で全国から支援を受けた市民が「今度は自分たちが力になりたい」と立ち上がった。
 「防護服が病院で不足している。気仙沼で作れないか」。活動のきっかけは4月中旬、市内の女性グループ「気仙沼つばき会」事務局長の小野寺紀子さん(47)が東京都内の知人から受けたそんな相談だった。
 小野寺さんは会のメンバーらに協力を求め、業務用ポリ袋を決まった形に切り、2枚重ねてテープで留めた防護服を製作。4月27日には約40人が作った300着を病院に発送した。口コミや会員制交流サイト(SNS)を通じて会員以外にも賛同者が増え、6月末までに延べ430人以上の市民が6642着を作った。
 新型コロナで休業中の飲食店経営者や外出を控えていた主婦ら、幅広い市民が協力。「震災時の恩返しがしたい」と話す人も多く、防護服の受け取りや検品に携わる同市の菅野暁子(さとこ)さん(47)は「誰かの役に立ちたいという市民の強い気持ちを感じた」と語る。
 輪の広がりを受けて態勢も整えた。4月中には、小野寺さんらが共同代表となって「防護服支援プロジェクト」(東京)を設立し、気仙沼事務局も作った。ホームページ(HP)などで資金援助を含めた協力を募ると、市外からも防護服が届き寄付も寄せられた。
 現在は事務局から協力者に材料を発送し、届いた防護服を検品して送るまでの流れを確立。7月15日時点で、首都圏の医療機関など40以上の施設に計3万1205着を届けた。
 当初は隙間があるなど不備のある防護服も寄せられ、手直しに時間を要したが、同市の手編みニット会社「気仙沼ニッティング」から助言を受けるなどして作り方を改良。HPで製作動画も公開し、検品の負担は激減した。
 「気仙沼方式」で作られた防護服は袖があり密閉性が高いなど、「安心して使える」と好評という。小野寺さんは「被災地だからこそすぐに力が集まったのだと思う。経験を財産に、将来の災害にも役立てたい」と力を込めた。

◎作り手募集

 防護服支援プロジェクトは、防護服の作り手や寄付を募っている。医療機関以外にも高齢者施設などから支援要請があるが、自宅に待機する人が減って作り手が不足し、生産が追い付かないという。
 HPから参加申し込みが可能で、申込者にポリ袋や養生テープなどの材料を送る。製作した防護服を気仙沼事務局に送ってもらう。作り方や送り先はHPで公開している。
 HPのURLはhttps://bougofukushien.com/


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2020年07月16日木曜日


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