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避難確保計画4割が未策定 宮城県と市町村、福祉施設や病院への支援強化

 水害や土砂災害の恐れがある社会福祉施設や病院などに策定が義務付けられた「避難確保計画」を巡り、宮城県内の対象施設の約4割が策定していないことが県のまとめで分かった。台風や豪雨の被害が相次ぐ中、早急な策定が求められており、県や立地する市町村は策定に向けた支援を強化する。
 2016年の台風10号で岩手県岩泉町の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」の入所者9人が犠牲となったことを踏まえ、計画の策定が義務化された。今月の九州豪雨でも、熊本県の特別養護老人ホーム「千寿園」の入所者14人が亡くなった。国は計画策定を21年度末までに完了することを目標に掲げる。
 宮城県内の今年3月末時点での策定状況は表の通り。県全体の策定率は洪水浸水想定区域で61.3%(前年同期比7.8ポイント増)、土砂災害警戒区域では62.5%(同21.4ポイント増)。いずれも前年より上昇しているが、4割近くが依然未策定となっている。
 策定率には地域差がある。仙台、栗原両市が9割を超える一方、角田市や松島町などはゼロだった。制度の周知不足に加え、日々の業務に追われて優先度が下がっている状況が背景にあるとみられる。
 角田市内は4月以降、7施設が策定を終えた。市によると、昨年は台風19号の被害を受けた影響で説明会ができなかったため、今年8月に開く。松島町内でも4月以降、4施設が策定した。未策定の施設に対し、町は9月の地域防災計画の改訂後、策定した計画の提出を要請する方針。
 国は計画のひな型を用意したが、地域や施設の事情に応じて手直しする必要がある。加えて、県防災砂防課は「策定後には避難訓練を行い、改善を絶えず図ることが重要だ」と指摘する。
 洪水浸水想定地域にある施設の策定率は、全国で45.0%(今年1月1日時点)。県河川課の担当者は「早めの策定が望ましいが、各施設が実効性ある計画を作れるよう支援していきたい」と話す。

[避難確保計画] 改正水防法と改正土砂災害防止法の2017年施行に伴い、水害や土砂災害の危険がある場所に立地し、市町村の地域防災計画に位置付けられた社会福祉施設、医療機関、学校、保育所などに策定が義務付けられた。高齢者や障害者、児童ら要配慮者が円滑、迅速に避難するために必要な防災体制、避難誘導方法を定める。


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2020年07月17日金曜日


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