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宮城県漁協組合長・寺沢春彦氏に聞く 「漁場維持へ管理徹底を」

寺沢春彦氏

 宮城県漁協(宮城県石巻市)の組合長に、七ケ浜支所運営委員長の寺沢春彦氏(58)が就任した。新型コロナウイルスによる魚介の価格低下や相次ぐ貝毒の発生、記録的不漁など課題はかつてないほど山積している。新たなトップに対策と今後の方針を聞いた。
(聞き手は石巻総局・大芳賀陽子)

 −県内の水産業の現状をどう見るか。
 「新型コロナによる卸値の低下は依然として続いている。海外へ輸出できず行き先を失った海産物が国内に滞留し、値が4分の1に落ちている魚種もある」
 「カキやホタテの死滅や貝毒の発生、漁船漁業での記録的不漁は今までに考えられない規模と頻度で見られる。地球温暖化による海況変化と推測するが明確な原因は分からない。国や県と協力して調査を続ける」
 −具体的な対策は。
 「今の海に合った新たな養殖種を取り入れるなど、やり方自体を変えていく必要性を感じている。同時に年間収入の1割でもいいので柱になる収入源をつくりたい。個人的には自然の影響を受けづらい陸上養殖が有用と考えている」
 −水産業の成長産業化を目指す改正漁業法が今年中に施行される見通しだ。
 「地元漁協が優先されてきた漁業権が民間企業など新規参入者にも開放される。漁場を維持するため、組合員にはさらなる自己管理が求められる」
 「漁船や漁業者に漁獲量を割り当てる新しい資源管理システムは、これまでの浜のルールの延長と考えている。一定サイズ以下は放流し漁期を守るといった自分たちの決まりも徹底し、続けられる漁業を目指す」
 −港では「若手」とされる年齢での就任となった。
 「大きな責任を感じているが、必要があれば変えるところは変えていく。昔は『太平洋銀行』と言われるくらい海の恵みがあったが、海は変わった。まずは浜に下りて積極的に話を聞きたい。自分にはその役割が求められていると思う」

[てらさわ・はるひこ] 仙台育英高卒。衣料メーカーを35歳で退職し、家業のノリ養殖を継ぐ。七ケ浜支所運営副委員長兼県漁協監事を経て、2017年から七ケ浜支所運営委員長。宮城県七ケ浜町出身。


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2020年07月15日水曜日


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