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特別給付金・対象外新生児に4市が独自支援 宮城県内14市、対応割れる

宮城県内14市の新生児への現金給付(7月20日時点)

 宮城県内14市のうち、国民1人10万円の「特別定額給付金」の対象から漏れた新生児に対し、独自の現金給付の実施を決めたのが気仙沼、角田、東松島、富谷の4市にとどまることが20日、分かった。給付を検討中が6市あるものの、実施未定が3市、実施しない方針が1市あり、自治体間で対応が割れている。(報道部・奥島ひかる)

 定額給付金は4月27日時点で住民基本台帳に記載された人が対象となる。28日以降に出生したか、住民登録された新生児には給付されないため、不公平感の解消や子育て世帯の支援を目的に、対象外の新生児に現金給付する自治体がある。
 県内14市の対応状況は表の通り。富谷市は4月27日時点で母親の住民登録があれば、9月30日までに生まれた新生児に10万円を給付する。7月1日に申請の受け付けを開始した。
 角田市も同様の住民登録を前提に、来年3月31日までに誕生した新生児の母親に対し、7月6日から5万円の臨時特別出産給付金を出している。東松島市は4月28日〜来年3月31日までに市内で生まれた全ての新生児に10万円を給付する。
 気仙沼市は本年度に母子手帳を交付された妊婦がいる世帯に10万円を出す。転入してきた妊婦も対象にする。担当者は「可能な限り対象を広くし、子育てしやすい街をアピールする機会にしたい」と説明する。
 政府は今月7日、新型コロナウイルス対策として、定額給付金の対象外の新生児に現金給付する場合、地方創生臨時交付金を財源に充てることを容認した。県内でも独自給付に前向きな自治体が増えつつある。
 岩沼市もその一つ。担当者は「他自治体は現金給付があり、不平等との声があることは承知する。給付は以前から模索していたが、交付金が使えることで追い風になった」と明かす。
 一方、実施するかどうか未定なのは仙台、石巻、塩釜の3市。仙台市は「子育て世帯を支援する必要性は認識するが、他の経済支援策との兼ね合いもあり庁内の調整が終わらない」(子供未来局)と説明する。
 多賀城市は今のところ給付を実施しない方針。担当者は「定額給付金は国が制度設計し、4月27日時点の住民登録という基準を定めた。対象から漏れた新生児の救済措置も国が責任を持つべきだ」と指摘する。

◎「地域差は不平等」 実施未定仙台の母親憤り

 「住んでいる地域によって差があっていいのか」。特別定額給付金の対象外となった新生児への独自の現金給付を巡り、仙台市泉区の女性会社員(26)は素朴な疑問を拭い切れない。
 5月20日に第1子となる女の子を出産。給付金の対象にはならなかったが、今月に入り宮城県内の他自治体で独自に10万円を支給していると知った。市に問い合わせると「現金給付を実施する予定はまだない。市民からも求める声は上がっていない」と言われた。
 「同じ新生児。不平等ではないのか」と不満が募った。「子育て支援を強調しているのに何もしないなんてがっかり。新型コロナウイルスの感染が広がり、お母さんたちが集まれない状況下で『声を上げろ』という方が無理だ」と憤る。
 生後2カ月のわが子は人や動く物を目で追えるようになり、確かな成長を感じる。「10万円の給付があれば音が鳴ったり、動いたりするおもちゃを買い、遊びの幅を広げてあげられるのに…」と女性は唇をかむ。
(この記事は「読者とともに 特別報道室」に寄せられた情報を基に取材しました)


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2020年07月21日火曜日


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