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浄土ケ浜遊覧船、来年1月11日で幕 赤字続きで船も老朽化 宮古

来年1月で運航を終える浄土ケ浜の遊覧船=22日

 三陸を代表する観光資源として知られる岩手県宮古市の景勝地、浄土ケ浜の遊覧船事業が来年1月11日で終了する。運営する岩手県北自動車(盛岡市)が22日に発表した。観光ニーズの多様化や東日本大震災後の利用客減で赤字経営が続いていた。
 遊覧船は1962年に就航した。80年代には東北新幹線開業を追い風に最盛期を迎え、4航路で10隻がフル回転。年間乗船客が約15万人に上ったこともある。
 90年代に入ると団体旅行の減少などで赤字が常態化し、減船を余儀なくされた。震災後は無傷で残った1隻で運航を再開したが、年間乗船客は3万〜6万人台に低迷。船体の老朽化や乗組員の高齢化も影響した。
 22日に宮古市内で会見した同社の八重樫真遊覧船事業部長は「ここ5年は赤字が深刻化していた。遊覧船が終了しても、新たな形で三陸の観光に携わっていきたい」と述べた。
 ウミネコに餌付けしながら三陸の絶景が楽しめる遊覧船は根強い人気を誇る。この日、家族3人で乗船した釜石市の会社員藤井彩貴さん(25)は「陸からとは違う風景が見られる。なくなるのは寂しい」と惜しんだ。
 宮古観光文化交流協会の山口惣一事務局長は「宮古と言えば浄土ケ浜、浄土ケ浜と言えば遊覧船。観光面への影響は大きいだろう」と語った。山本正徳市長は「遊覧船は宮古の重要な観光資源であり非常に残念だ」とのコメントを出した。
 同社は23日〜8月31日、割安料金で乗船できる企画を用意する。来年1月11日には「さようなら遊覧船ラストクルーズ」を計画している。


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2020年07月23日木曜日


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