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幻の「大谷いも」復活 宮城・気仙沼の道の駅で24日まで販売

「大谷いも」を手に取る買い物客

 宮城県気仙沼市本吉町大谷地区の住民有志が、戦後に日本一の品質として知られた幻のジャガイモ「大谷いも」を復活させた。23、24の両日、道の駅「大谷海岸」で初の販売会を実施。東日本大震災から10年となるのを前に、新たな特産品に育てようと模索している。
 ジャガイモは、大谷の頭文字を取った「〓(丸大)印の馬鈴薯(ばれいしょ)」。食糧難の時代に盛んに生産された。本吉郡誌(1949年刊行)には「海岸付近の砂地地帯に海藻を肥料として栽培される馬鈴薯と大根とは大谷村の特産とも言うべき優秀品」とある。
 地域紙などによると、53年に東京市場で日本一の折り紙を付けられ、香港に輸出されたこともあった。だが北海道産などに押され、姿を消した。
 地元では震災から10年となる来年3月、津波で全壊し仮設店舗で営業している道の駅が新装開店するのを前に、伝説のジャガイモの復活を企画。気仙沼本吉農林水産物直売組合の生産者19人が今年2月、1人5キロずつ種芋をまいた。
 品種は当時と同じ「男爵」。定置網に付着した海藻や養殖ワカメの不用の茎を堆肥に入れて手法を再現するとともに、差別化を図った。袋の裏側には、地元の「大谷音頭」にある「大谷丸大ソレ本当に日本一」の歌詞も印刷した。
 23日に道の駅を訪れ、ジャガイモを試食した多賀城市の会社員秋政洋太さん(36)は「甘いし食感もいい」。札幌市出身だが「特色のある味」と評価した。
 1袋800グラム250円。詳しい収量は不明で、なくなり次第、終了。コロッケなどもある。残量があれば25日以降も販売する。
 小野寺正道駅長(64)は「海産物だけでなく大谷の農産物を広めていきたい」と話す。海藻を与えたジャガイモは大きくなる傾向が見られたが、効果は県気仙沼農業改良普及センターと検証するという。
 直売組合の芳賀勝英組合長(75)は「初の試みで四苦八苦だった。来年は土壌改良にも取り組む。ジャガイモが成功したら大根、白菜なども作りたい」と見据えた。

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2020年07月24日金曜日


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