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福島・双葉町内に初の物販店 地元建設会社が8月オープン、新業態に挑戦

オープンに向け準備が進む店内
伊藤物産の外観

 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県双葉町で8月1日、事故後初めての物販店が営業を始める。2022年春の避難指示解除を見据え「地域の復興を下支えする店にしたい」と準備を進めている。
 オープンするのは「伊藤物産」。町北東部の中野地区に町が整備した産業復興拠点に店舗を設ける。当面は復興工事向けの建設・建築資材や工具が中心となるが、段階的に企業向けのオフィス用品や雑貨、衣料といった日用品も取り扱う計画だ。
 同じ双葉郡の広野町に事務所を構えて業務を続けている地元建設業伊藤工務店が会社を設立し、新しい業態に乗り出す。今年1月に着工した約160平方メートルの店舗は完成しており、社長の伊藤拓未さん(30)らがオープン準備に追われている。
 開業後には伊藤さんと従業員数人が常駐し、取引先の掘り起こしなどに当たる。地域内の経済循環のため、地元産品を販売する構想もあるという。
 原発事故から9年4カ月がたち、再生に向かって歩む町の「よろず屋」を目指すという伊藤さん。「しばらくは地域にこの店しかない。さまざまな需要に応えられるようにしたい」と意気込む。
 中野地区では今秋、県が整備を進めるアーカイブ施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」や町の産業交流センターが開館を予定する。町内では2店のガソリンスタンドが営業しているだけで、今後、22年春の避難指示解除に向け人やモノが本格的に動き始める見通しだ。
 店舗の営業開始に合わせて工務店の双葉事務所も敷地内に開設される。工務店社長の伊藤哲雄さん(62)は復興への思いを胸に「信用を第一に、人との関わりを大事にしながら仕事をしたい」と話す。


2020年07月22日水曜日


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