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青森空襲75年 デジタル地図を日々更新、記憶継承へ

相馬さんが更新を続けるデジタル地図(C)Google
被災樹木のイチョウを眺める相馬さん

 1000人以上の犠牲者を出した1945年の青森空襲から28日で75年となる。当時の写真や証言を記録したデジタル地図「青森空襲被害地図」を作った青森市の相馬信吉さん(68)は、日々データの更新を重ね、記憶の継承を図っている。
 相馬さんは7月中旬、同市本町の蓮心寺を訪ねた。本堂裏手にある樹齢300年のイチョウは、地図に載せている「被災樹木」。火の手から逃げ惑う人々が木の下に避難した−との証言が残る。
 「近くの池に飛び込み、燃え盛る本堂を見た人もいたそうです」。住職の本間義悦さん(66)が体験者から聞いた話に耳を傾けた。鐘楼が戦禍を逃れたことが新たに分かり、「遺構」として地図に落とし込んだ。
 市民団体「青森空襲を記録する会」に所属する。「デジタルで被害を可視化し、若い世代に記録をつなぎたい」。6年前、グーグルマップを使った地図製作を始めた。地図には、焼夷(しょうい)弾による焦げ跡などが残る建物や、焼失を免れた樹木など約20カ所を掲載している。
 最近は、体験者の証言を朗読して収録し、地図にひも付けする作業に力を入れる。体験者の一覧から名前をクリックすると、朗読映像と被災した場所などが見られるようにしている。
 市が実施した2016年の調査では「空襲の日も内容も知らない」と回答した市民が4割近くに上った。体験者が減り、取り壊される被災遺構も増えていることに危機感を感じる。
 「小さなものでも記録を続け、空襲を知らなかったり、忘れたりしている人々への注意喚起につなげたい」と話す。


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2020年07月27日月曜日


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