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秋田沖の風力発電に参入表明相次ぐ 国の促進区域に指定

英国のリバプール湾にある洋上風力発電施設「バーボバンクオフショアウィンドファーム」(秋田由利本荘洋上風力合同会社提供)

 風力発電先進県の秋田県で進む洋上風力発電事業計画に、参入を表明する事業者が相次いでいる。最も注目されているのは大規模開発が見込める「能代市、三種町および男鹿市沖」と「由利本荘市沖」。両海域は21日、ともに国の促進区域に指定された。風車メーカーもシェア拡大の好機と捉えるなど秋田県沖が「洋上風力激戦区」の様相を見せている。
(秋田総局・佐藤駿伍)

 「われわれが計画しているのは国内最大の洋上風力発電所。地域振興につなげたい」。由利本荘市で2日にあった地元商工会関係者らとの会合で、秋田由利本荘洋上風力合同会社の須山勇代表は力を込めた。
 洋上風力は陸上より大型で多数の風車が設置できる一方、海底基盤の建設や海底送電ケーブル敷設、維持などコストがかかる。秋田県沖で進められているのは風車の基礎部分を海底に固定する「着床式」。長崎県沖では風車を海上に浮かす「浮体式」が計画されている。
 1000億円規模の事業となるため、複数企業が出資する特別目的会社(SPC)方式が多い。能代市など3市町沖、由利本荘市沖では表の通り、それぞれ4グループが参入を表明している。国は今後、約1年かけて事業者を公募、選定する。
 再生可能エネルギー開発のレノバ(東京)の木南陽介社長は「国内では(発電効率で劣る)浮体式より着床式が大半になる」と指摘。秋田県沖の事業に参画し「日本のエネルギー転換の旗振り役」を目指す。
 風車メーカーも秋田県沖に熱い視線を注ぐ。三菱重工業と風力発電機大手ベスタス(デンマーク)の合同会社MHIベスタスは秋田港、能代港での事業に風車を納入する。山田正人副社長は「このプロジェクトを成功させることが、日本の洋上風力発電の試金石になる」との見方を示す。
 洋上風力の世界市場では欧州勢が圧倒的なシェアを占める。同社は2割、スペインのシーメンスガメサ・リニューアブル・エナジーが7割。山田副社長は「秋田が日本の洋上風力の発祥の地になる。秋田で技術やノウハウを蓄積し、全国に展開したい」と展望する。

[促進区域]2019年3月施行の再エネ海域利用法に基づき、基準を満たす海域を国が洋上風力発電の促進区域に指定する。区域内では3〜5年だった海域占有期間が最大30年まで認められる。秋田県沖の2海域は地元の法定協議会が今年3月、指定に同意していた。国内では長崎県五島市沖が19年12月に初めて指定され、今年6月24日に事業者の公募を始めた。


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2020年07月27日月曜日


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