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桜井氏自民会派入りで参院選の構図流動化 与野党、既に心理戦

リモートで市民集会に参加した安住氏。桜井氏を糾弾すると、会場が沸いた=11日、仙台市民会館

 次期改選の参院議員の任期が25日で残り2年となり、2022年の参院選宮城選挙区(改選数1)を巡る県政界の心理戦が熱を帯びてきた。国民民主党を離党した桜井充参院議員の自民党会派入りを引き金に、戦いの構図が流動化。桜井氏は進退を明かさない中、与野党の腹の探り合いが始まった。
(報道部・鈴木俊平、土屋聡史)

 「辞職しないのは許されない。自民に行くなんて、とんでもない話だ」
 仙台市内で11日にあった野党系の集会。立憲民主党国対委員長の安住淳衆院議員(宮城5区)が訴えると、約250人の聴衆が拍手で応えた。
 怒りの矛先は桜井氏。旧民進党公認で立候補した16年の参院選では共産、社民両党と連合宮城などによる野党共闘が奏功し、自民現職との激戦を制した。民進分裂後は国民に籍を置いたが、昨年9月に突如、離党の意向を表明。今年5月に自民会派入りし、野党と決別した。
 「即刻、『落とす会』を作らないといけない。私が先頭に立つ」と敵対心をあらわにした安住氏。次期参院選では再び、野党共闘で候補者を擁立する構えだ。
 当選4回の桜井氏を敵に回し、意気上がる野党陣営だが、明確な戦術を描けているわけではない。野党関係者は「初当選した旧民主党時代からの支援者、首長や地方議員との関係は簡単には切れない」と分析する。
 桜井氏は医療業界や中小企業に独自の支援網を構築する。関係者は「桜井氏が無所属で出馬すれば、自民を含む『三つどもえ』の戦いで票を食い合い、展開が読めない」とみて、候補者選定の難航を予想する。
 参院自民党は桜井氏の会派入りを歓迎しつつ、入党には慎重な姿勢。次期参院選で県連の意向を尊重する考えを示す。
 ボールを投げられた県連内は冷めた反応だ。ベテラン県議は「歓迎ムードのかけらもない」と切って捨て、県連幹部も「党から迎え入れるよう打診されても無理だ」と突き放す。
 自民は宮城選挙区で16、19年と屈辱の連敗を喫し、22年は必勝が至上命令。「党本部に『勝てる候補を出せるのか』と突き付けられた時、自信を持って戦える候補を立てる必要がある」(県連関係者)と焦りもにじむ。
 「桜井氏が党本部主導で比例代表から出馬する」との見方も一部にあり、「宮城選挙区は地方議員が挑戦すべきだ」との声もささやかれ始めた。
 自民関係者は「既に心理戦は始まっている。新型コロナウイルス感染症の状況、国や地方の政治日程をにらんで駆け引きが本格化するだろう」と解説した。
 桜井氏は自民会派への入会希望を党幹部に伝えた5月15日、県庁で記者会見し、「苦渋の決断だったが、有権者の期待に応えるため、与党会派に入らせていただくことにした」と説明した。
 その後、進退は「白紙」と沈黙を貫いている。


2020年07月25日土曜日


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