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デジタル中心「生々しさ伝わらぬ」住民不満 石巻・南浜復興祈念公園施設の県最終案

中核的施設の展示内容のイメージ図

 東日本大震災で被災した宮城県石巻市南浜地区に整備する石巻南浜津波復興祈念公園の中核的施設について、宮城県は27日、市内で開いた地元住民との意見交換会で展示内容の最終案を示した。デジタル端末を使った展示が中心で、参加者からは「津波被害の生々しさが伝わらない」などと不満の声が上がった。
 県石巻合同庁舎であった意見交換会には、伝承活動に取り組む団体や地元町内会などから27人が参加。国や県、市の担当者が概要を説明した。
 最終案は津波の恐ろしさと避難の重要性を映像で伝えるシアター「逃げなさい!」や、震災前後の街並みをプロジェクターで投影する「つなげる記憶」など計7エリアを整備する。
 このうち4エリアでタッチパネル式の大型モニターを設置。県内各地の語り部や消防団員へのインタビューの映像などで、命を守る行動を呼び掛けるとともに震災後の街の姿を紹介する。
 参加者からは「津波の破壊力や速さを視覚的に伝えられていない」「遺物を展示するなど血の通った施設にしてほしい」といった意見が出た。市民団体「がんばろう!石巻」の黒沢健一事務局長は「訪れただけで震災への思いをはせられる場所になるよう意見を伝えていく」と話した。
 中核的施設は国が建設し、鉄骨平屋で軒下部分を含む床面積は約1500平方メートル。このうち約800平方メートルで県が展示物を整備し、2021年3月の公開を目指す。展示物の制作費は4億5000万円。
 県内の被災地に足を運んでもらうきっかけとなる「ゲートウェイ(玄関口)」に位置付けられている。9月には施設運営に関する意見交換会を開く予定。


2020年07月29日水曜日


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