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5G関連の需要で電機機械は活発 東北の20年度設備投資微増

拡張後のAGCエレクトロニクス本宮工場のイメージ(同社提供)

 日本政策投資銀行東北支店が5日発表した2020年度の東北の設備投資計画は前年度比微増となった。次世代通信規格「5G」などの成長を見込む電気機械関連は活発だが、けん引役だった自動車関連は減速。新型コロナウイルスの感染拡大で今期の計画を見送った企業もあり、実績は前年度を下回るとみられ、今後は自動車生産の回復動向などが鍵を握りそうだ。
 電子部品大手TDK(東京)は本年度、過去最大の1800億円の投資を計画。5G基地局やパソコン、タブレット端末向けの部品増産に向け、秋田県内の工場などを増強するとみられる。同社は「新型コロナ禍でデジタル化が加速し、リモートワークや5G関連の需要が想定以上に拡大した」と説明する。
 ガラス大手AGC(東京)はグループ会社のAGCエレクトロニクス(福島県郡山市)に数百億円を投じ、本宮工場(同県本宮市)を拡張する。最先端の「EUV露光技術」を用いた半導体製造に使われる消耗部材「フォトマスクブランクス」の生産を22年から倍増させる。
 EUV露光は半導体チップの高集積化や処理高速化に必要な技術とされ、人工知能(AI)や5Gの普及に伴い需要が拡大する見通し。25年にマスクブランクスのシェアを現在の3割から5割に引き上げる計画だ。AGCの担当者は「新型コロナ下でも市場の伸びを見込んで積極投資を実施していく」と話す。
 自動車関連では、トヨタ自動車子会社のプライムアースEVエナジー(静岡県湖西市)が、ハイブリッド車(HV)用リチウムイオン電池の生産増強に向けた宮城工場(宮城県大和町)の拡張を進めている。部品製造の旭洋工業製作所(静岡県長泉町)は登米市に新工場を建設する。
 輸送用機械の投資計画は前年比3割減と大きく落ち込んでいる。宮城県内で設備製造を手掛ける会社の幹部は「先行きが不透明で各社とも投資意欲が下がっている一方、新技術の開発に関わる受注は自動車関連でも変わっていない。ここで止まると変革に乗り遅れるからだろう」と話す。


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2020年08月06日木曜日


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