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蔵王町周辺から噴出「広瀬川凝灰岩」 宮城県南にも広く分布

竜の口渓谷の広瀬川凝灰岩(点線に挟まれた部分)=仙台市

 仙台市街地に地層を形成する「広瀬川凝灰岩」が従来の推定域より広く、宮城県南にも分布していることが東北大などの調査で分かった。同県蔵王町東部周辺にあったカルデラから噴き出した火砕流が、県南部一帯を覆い尽くしたと考えられるという。約350万年前とされてきた形成年代も、放射年代測定で370万年前と判明した。
 東北大総合学術博物館の高嶋礼詩准教授(地質学)や東北福祉大などのグループが仙台市周辺や県南部の凝灰岩の結晶を最新手法で分析し、論文にまとめた。
 広瀬川凝灰岩に微量に含まれるアパタイト(リン灰石)の結晶を調査。岩沼市平等地区や同県山元町久保間地区の露頭で採取した凝灰岩と一致した。アパタイトは火山の「指紋」「DNA」と呼ばれ、マグネシウムと塩素の含有率が火山や噴出時期で異なる。
 蔵王町東部の円田(えんだ)盆地周辺では凝灰岩が約20メートルと厚く堆積している。その中に含まれる軽石の直径は約60センチと仙台市内の軽石(約5センチ)より大きく、噴出源の火山に近いと推定される。グループは「白石カルデラ」と名付け、広瀬川凝灰岩の供給源と結論付けた。
 広瀬川凝灰岩は従来、七ツ森カルデラ(宮城県大和町)から噴出したとする説が有力だったが、七ツ森カルデラに由来する大和町宮床地区の凝灰岩は358万年前、広瀬川凝灰岩は370万年前の形成だったことが新たに判明。アパタイトの組成が異なることも分かった。
 高嶋准教授は「広瀬川凝灰岩は東北の代表的な火砕流堆積物の一つ。名取川より南にはないと言われていたので、岩沼市や山元町の凝灰岩とアパタイトの成分が一致し、同一の凝灰岩だと分かったことは今回一番の驚きだった」と話した。
 論文は6月22日に国際科学誌「ジャーナル・オブ・ボルカノロジー・アンド・ジオサーマル・リサーチ」電子版に掲載された。

[広瀬川凝灰岩]仙台市街地の代表的な地層で、広瀬川沿いや竜の口渓谷では地表に現れている。青葉区の西公園付近では約8メートルの厚さがある。370万年前に噴出源となった宮城県蔵王町東部の「白石カルデラ」は現在、火山活動が収まっているという。

 


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2020年08月10日月曜日


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