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ヒラメ30年目の放流へ 青森・階上で稚魚出荷始まる

体長約6センチに育ったヒラメの稚魚
稚魚の出荷作業を進める職員=7日

 公益社団法人青森県栽培漁業振興協会(階上町)で、今シーズンのヒラメ稚魚の出荷が始まった。協会が全国に先駆けて成功した稚魚の大規模生産は開始から今年で30年となる。近年の課題だった稚魚の伝染病対策にめどが立ちつつあり、来年以降の安定的な出荷回復へ関係者は決意を新たにしている。
 新型コロナウイルス流行の影響などで、今季は3カ所ある育成施設のうち2カ所が休止を余儀なくされた。出荷量は昨年より3割少ない87万5000匹を見込む。
 7日は、日本海側の鰺ケ沢町など4カ所に放流する15万匹を出荷した。9月上旬までに順次、陸奥湾と太平洋沿岸を含めた県内計16カ所で放流する。通常、2年で漁獲が可能な体長35センチ以上に育つという。
 ヒラメは1976年以降8年連続で日本一の漁獲量を誇ったが、80年代半ばから水揚げが急減した。87年に協会が設立され、放流用稚魚の大量栽培に着手。ボイラーによる水温管理や餌となるプランクトンの培養技術を確立した。
 90年に200万匹を超える稚魚出荷に成功。資源量は徐々に回復し、水揚げ量は同年以降の30年間で16回、全国一を記録している。稚魚を大量に栽培し、放流する方式は「青森モデル」と呼ばれている。
 しかし、ここ数年は育成施設で稚魚がへい死する伝染病が発生。出荷が100万匹前後に落ち込んでいた。対策を研究した協会は、海水を水槽に引き込む前に紫外線を照射するとウイルスの発生が抑えられることを突き止めた。照射装置の導入により来年以降、安定的な出荷の回復を目指す。
 葛西浩史栽培部長は「病気が少なくなり、稚魚が順調に育つようになった。ヒラメと言えば青森となるように、漁獲を増やしたい」と話す。


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2020年08月11日火曜日


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