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地域の交流拠点に絵画寄贈 震災経験の知的障害ある画家 陸前高田

集会施設に飾られた自身の作品の前で記念撮影する田崎さん(手前右から2人目)ら
館内に飾られた自身の作品を見上げる田崎さん(左)と実さん(中央)

 東日本大震災で被災し、知的障害のある岩手県陸前高田市の画家田崎飛鳥さん(39)が、同市気仙町の今泉地区コミュニティセンターに自身の絵画を寄贈した。震災前まで暮らしていた気仙町の伝統行事「けんか七夕」を題材に描いた作品だ。
 絵は縦約120センチ、横約90センチ。アクリル絵の具を使い、2015年に制作した。けんか七夕は山車同士を激しくぶつけるのが特徴で、地区ごとの山車4台を大勢の住民が引く光景を色彩豊かに描いた。
 震災の津波で今泉地区にあった住宅は田崎さんの自宅を含め大半が流失。犠牲者も多数に上った。作品では亡くなった人たちが天国から見守る様子も表現した。
 現地で7日に寄贈式があり、自身の作品を見上げた田崎さんは「本当にうれしい」とほほ笑んだ。
 父実さん(73)によると、田崎さんは山車の飾り作りを毎年手伝うなど、けんか七夕に強い思いがあるという。実さんは「長く親しんだ地域への思いを最も表現できた作品。絵に込めた復興への祈りの気持ちが見た人に伝わってほしい」と話した。
 絵画の寄贈は、地元のまちづくり団体が田崎さん側に打診したのがきっかけ。コミュニティセンターが今年4月に完成し、館内に飾りたいと依頼したという。
 今泉地区コミュニティ推進協議会の菊池満夫会長(67)は「多くの住民が絵を見てけんか七夕の様子を思い返し、元気になってほしい」と期待した。


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2020年08月12日水曜日


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