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東北の18信金が減益 与信費用が増加、北上は赤字に 3月期

 東北の信用金庫の2020年3月期決算は、純損益が全27信金のうち18信金が減益で、北上(岩手県北上市)は13年3月期以来の赤字となった。まだ新型コロナウイルスの影響はほとんどないが、貸倒引当金の繰り入れで与信費用が増えた信金が多く、減益は前期に比べて1信金増えた。
 各信金の純損益、コア業務純益、貸出金残高、預金残高は表の通り。純利益は福島(福島市)が5億9600万円で最大となり、あぶくま(福島県南相馬市)、青い森(青森県八戸市)が続いた。純損益の合算は前年比25.3%増の56億7300万円となり、6年ぶりに増加した。
 赤字となった北上は「新型コロナなどに伴う景気減速のリスクに対応するため、保守的に貸倒引当金を繰り入れた」と説明。前期比52.8%減のひまわり(福島県いわき市)は「東日本大震災の復興需要もピークアウトし、企業の経営環境が悪化して与信関係費用が増加した」という。
 減少幅が大きい仙南(宮城県白石市)なども貸倒引当金の繰り入れが影響した。一方、前期に貸倒引当金を大幅に増額して赤字を計上した盛岡(岩手県盛岡市)は、この分が減って3億8000万円の黒字に戻った。
 本業のもうけを示すコア業務純益は20信金で増加。青い森は18、19年度に店舗の統廃合で15店舗を削減するなど経営合理化で経費削減が進み、前期より大幅に改善した。
 羽後(秋田県由利本荘市)は「資金運用収益の増加に加え、業務効率化で人件費や物件費の削減が進んだ」と説明した。前期に本店・本部の移転に伴う費用が膨らみ赤字だった宮城第一(仙台市)は黒字転換した。
 貸出金残高は18信金で増加し、全体では0.9%減の2兆4724億円。預金残高は19信金で増えて、合算は0.6%増の5兆5178億円だった。
 経営の健全性を示す自己資本比率は22信金で低下し、不良債権比率は11信金で上昇した。
 取り組みでは、福島県内の8信金が4月、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の理念に基づく共同宣言を発表し、地域社会の発展に向けて連携を進める。岩手県内の6信金も6月に共同宣言した。
 日本海側にある東奥(青森県弘前市)、秋田(秋田市)、羽後、鶴岡(山形県鶴岡市)の4信金は昨年3月に連携協定を締結。販路拡大に向けて、共通のネーミングを用いた物販促進の企画などを始めた。
 河北新報社が各信金に調査票を送り、全27信金から得た回答をまとめた。


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2020年08月13日木曜日


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