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建築現場の人材難に配慮を 宮城県の高技専再編計画に大崎の業者ら注文

大工の人材を供給してきた大崎高技専の実習棟=大崎市古川米倉

 宮城県が高等技術専門校5校の再編を目指す中、大崎高技専の卒業生の受け皿となってきた大崎地域の建築業者らが、本年度策定される整備計画の行方を注視している。同校が設ける大工や電気工事士の養成科は少子化などを背景に定員割れが続く一方、住宅などの建築現場は作業員の不足が深刻化している。業者らは「地元にとり絶対に必要な学校。業界事情に十分配慮してほしい」と求める。

 大崎高技専は1962年、県古川職業訓練所として開所。現在は県内の公的機関として唯一、大工を養成する木の家づくり科(2年制)、仙台高技専と並んで修了時に第2種電気工事士の資格を得られる電気科(1年制)がある。
 本年度は木の家づくり科に計13人(各学年定員15人)、電気科に10人(20人)が在籍。きついイメージがある労務作業が敬遠されて定員割れが続く。
 一方で、3月末時点の県外を含めた求人は木の家づくり科に88人、電気科に325人と絶好調だ。就職率はそれぞれ100%、83.3%だった。
 今春の卒業生を採用した菅原工務店(大崎市)の菅原順一社長(47)は「大工は65歳前後に人材が集中し引退が迫っている。人気が高い設計や施工管理に比べ、人材のアンバランスが著しい」と頭を痛める。
 古川電気工事協同組合の斎藤勲理事長(77)は「多くの加盟社が小規模なため、即戦力となる人材を求めている。県には電気科を2年制にしてほしいと要望してきた。業界の実情に応じた再編でなければ困る」と注文する。
 県の有識者審議会は7月30日、現行の5校を統合して1校を新設するよう村井嘉浩知事に答申した。仙台市に拠点校、気仙沼市にサテライト校を置く案が有力とみられる。
 土木・建築業者で組織する大崎市建親会の早坂竜太会長(53)は「地方こそ元気にならなければいけない時代。若者を育てる施設は特に立地場所に注意してほしい」と配慮を求める。

[メモ]高等技術専門校は職業能力開発促進法に基づき県が設置する。高卒か同等以上の学力がある18歳以上が対象。平日に全日制で授業を受ける。事業主が従業員に対して行う職業訓練を支援する認定職業訓練施設(地域職業訓練センター)とは性格や設置主体が異なる。


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2020年08月13日木曜日


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