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故人しのび家族で送り火 南三陸・歌津

自宅前で送り火をともす菅原さん(右)。集落の家々から立ち上った煙が夏の夕空に吸い込まれた=16日、南三陸町歌津上沢

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため自治体がお盆中の帰省の自粛を呼び掛ける中、宮城県内各地では家族単位でお盆の行事をする姿が見られた。
 宮城県南三陸町歌津上沢の農業菅原衛昭さん(67)方では16日、お盆で迎えた精霊を再び彼岸へ送るため、送り火をたいて霊を弔った。
 集落が闇に包まれるころ、菅原さんは妻洋子さん(62)や出産のため埼玉県から帰省した次女ら家族と共に、玄関先で燃やした稲わらに手を合わせ故人をしのんだ。
 9年半前の東日本大震災で菅原さん宅は被害を免れたが、家の前を流れる伊里前川を津波がさかのぼり近くの集落まで押し寄せた。親戚や知人が津波の犠牲になる一方、菅原さんは消防団員として応急道路の確保などに力を尽くした。
 震災から10度目のお盆も大切な人の霊に思いをはせるはずだった。しかしコロナ禍で地元の行事が次々と中止になるなど自粛が広がる。菅原さんは「最近は年中行事の簡素化も進んで寂しい。来年は皆そろってお盆を迎えたいね」と話した。


2020年08月18日火曜日


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