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東北にいざなう文化財の宿 「青根温泉 湯元不忘閣」(宮城・川崎)御殿に伊達家の品々

伊達家歴代当主が宿泊した御殿棟。大火で焼失し、再建された
御殿棟に展示されている掛け軸やびょうぶ

 東北には文化財に指定されるなどした歴史ある建造物を活用し、旅行者を受け入れる宿泊施設が各地にある。農村部の古民家や山間部の湯治場など、自然豊かな風景とともにくつろぎの時間を提供する趣深い宿を紹介する。

 室町期の1500年代に当時の領主に仕えた佐藤掃部が開湯した宮城県川崎町の青根温泉。掃部の子孫が代々受け継ぎ、現在21代目となる。温泉旅館「湯元不忘閣」では2014年、本館や蔵など7件が国の登録有形文化財に指定された。
 中でも目を引くのが青根御殿と呼ばれる「御殿棟」。木造2階の優美な意匠が特徴だ。江戸期に歴代の仙台藩主が湯治に訪れた際、専用の宿泊所として使われた。1906年の青根大火で消失したが、32年に再建された。
 現在は青根温泉の歴史を紹介する資料館として活用。1階には1612年の「仙台藩奉行人連署状」などの古文書、2階は5代藩主伊達吉村が描いた掛け軸など伊達家ゆかりの品々が展示されている。
 御殿棟を見学できるのは宿泊客のみ。毎朝、女将の佐藤真由美さん(56)が案内する。「宿泊客だけの特典です」と笑顔で話す。
 木造2階の本館は、青根大火翌年の07年に完成。休憩所のほか、12ある個室は会食場として使われている。明治以降は文豪にも愛され、座敷蔵は芥川龍之介がこもって執筆に励んだ場所として知られる。
 文化財ではないが、浴場「大湯」「新湯」の石の浴槽は開湯以来の状態を保つ。佐藤さんは「温泉だけでなく、歴史が好きな人、建築物に興味がある人など、さまざまな趣向を持つ人に楽しんでもらえる旅館。ぜひ一度訪れて下さい」と呼び掛ける。

[メモ]宮城県川崎町青根温泉1の1。前日まで予約可。1泊2食付きで1人1万8300円から。連絡先は0224(87)2011。


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2020年08月14日金曜日


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