広域のニュース

溺れたら「ドル平」で呼吸確保 救助は背浮きで待つ 体育教師が勧める水難時の対処法

息継ぎ練習法の動画は河北新報オンラインニュースで配信中。QRコードでアクセスできます。

 新型コロナウイルスの影響で宮城県内の多くの公立小中学校がプール授業を見送るなどしたのを受け、水難事故から命を守る安全教育をどう施すかが課題となっている。6日には同県柴田町の白石川で中学生2人が流されて亡くなる事故もあった。万が一の時の対処法と心構えを現場の体育教師らに聞いた。(生活文化部・浅井哲朗)

◎肺に空気ためる

 全国の体育教師有志らで組織する学校体育研究同志会(東京)の制野俊弘全国研究局長(和光大准教授)は「溺れそうになったら、肺に空気をため、浮きやすい姿勢を取って」と訴える。
 制野局長が推奨するのは、泳げない子どもの水泳指導法として生まれた「ドル平」泳法の練習だ。呼吸確保を重視し、脚はバタフライのドルフィンキック、腕は平泳ぎに近い動きをする。
 陸上でも息継ぎを練習できる(イラスト)。名取市ゆりが丘小の渋谷信賢教諭は、中腰で下を向いた姿勢から顔を上げ、「パッ」と一瞬で強く息を吐くよう指導する。強く息を吐けば、反動で素早く肺に空気を取り込める。
 下を向いている時(水に顔をつけている時)は、浮力を保つため、決して息を吐かない。早く顔を上げると体が沈んでしまうので、ゆっくりした動きを心掛けることが大切だという。
 東松島市鳴瀬桜華小の渡辺孝之教諭は、児童にマスクを口の前にぶら下げ、息を吐いて揺らす練習を教室でもさせているという。「呼吸のリズムは日常的に練習できる」と話す。

◎流れに身任せる

 水難時の対処法には、着衣泳の技術「背浮き」がある。水面からわずかに出る体の一部で鼻と口の呼吸を確保するため、あおむけになり両腕両脚を広げてバランスを取る。水に落ちて苦しい状態になったとしても、落ち着いて呼吸を確保し、背浮きをすれば救助までの時間を稼げる。
 渡辺教諭によると、川の流れや海岸の離岸流に逆らって泳ぐのは至難の業で、川では流れに身を任せながら徐々に岸に近づくのが良いという。
 「『川に近づかない』と言い聞かせただけでは、指導は十分ではない。浮く原理や技術をきちんと理解していることが、パニックに陥った時に生きる」。制野局長はこう助言する。

▽息継ぎ練習法の動画はこちら
https://www.kahoku.co.jp/movie/


関連ページ: 広域 社会

2020年08月18日火曜日


先頭に戻る