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「龍馬伝」にも登場の北前船、最後の航行 大船渡

小型船に引かれて大船渡湾を進む気仙丸(左)
小型船に引かれて蛸ノ浦漁港を離れる気仙丸(中央)

 岩手県大船渡市で長く市民に親しまれてきた北前船の復元船「千石船気仙丸」の移送作業が19日、同市の大船渡湾であった。陸上での展示に向け、修繕や表面の塗装加工を施すため、市内の造船所に運ばれた。海上を進む姿が見られる最後の機会となった。
 気仙丸は小型船に引かれ、これまで係留されていた蛸ノ浦漁港を出発。湾内をゆっくりと北上した。造船所に着くと、ウインチで船台に引き揚げられた。
 船大工の新沼留之進さん(89)=大船渡市=は建造時の棟梁(とうりょう)を務め、今回の修繕にも携わる。「船は本来、海にあるものだが、地域の宝として陸上で役立ててもらえるのであればうれしい。10年、100年と後世に残し、価値を見いだしてほしい」と話した。
 今後は船体を洗浄、乾燥した後、腐食部分を修繕する。表面を液体ガラスで塗装して耐久性を高め、大船渡町地区に年度内の展示を目指す。
 所有する大船渡商工会議所の新沼邦夫専務理事は「気仙地域の船大工の優れた技術を見てほしい」と期待した。
 気仙丸は1991年12月完成の木造船で全長18メートル。92年開催の「三陸・海の博覧会」に出展され、NHK大河ドラマ「龍馬伝」でも使用された。東日本大震災では十数メートルの津波に襲われたが、被害はなく「奇跡の船」と呼ばれた。


2020年08月20日木曜日


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