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ツツジ燃える富岡復活を NPO「元気になろう福島」再生プロジェクト始動

ツツジの苗木を受け取る里親(右)
除染のために伐採され一度は切り株だけになったが、再び開花したJR夜ノ森駅のツツジ=4月下旬

 東京電力福島第1原発事故で被災した福島県川内村のNPO法人「元気になろう福島」が、東隣の富岡町にあるJR常磐線夜ノ森駅のシンボルだったツツジを再生するプロジェクトに取り組んでいる。町民らが里親となってツツジを挿し木で栽培し、3年後に町全体を彩る計画だ。
 28人の町民らが里親に応募し、鉢植えにした挿し木苗の引き渡しが12日に始まった。苗木は駅周辺の夜の森地区にある富岡二中で剪定(せんてい)。まだ10センチほどで根が張っていないが、里親が苗木を自宅で根付かせて3年かけて大きく育てる。
 初めてのワークショップも12日に町内で開かれ、16人が参加した。栽培指導を担当する須賀川市の「大桑原つつじ園」の渡辺久記社長らが生育や管理方法をアドバイスした。
 ツツジは町花で、かつて約6000株が咲き誇った夜ノ森駅は「花の駅」とも呼ばれた。開花時期には特急列車が徐行運転して乗客を楽しませるなど、町の観光名所「夜の森の桜並木」とともに親しまれた。
 地域住民らがツツジの手入れを続けてきたが、原発事故後に除染のため根の部分を残して全て伐採された。今年3月に常磐線が夜ノ森を含む富岡−浪江(浪江町)間で運転再開し、全線開通。伐採されたツツジは一部再生して花を咲かせたが、全盛期にはほど遠い。
 プロジェクトでは本年度中にあと3回、ワークショップを開催する予定。苗木の生育状況を確認しながら、ツツジの植樹場所や観光PRを図るための方策などを話し合う。
 里親になった町内在住の無職藤田良一さん(67)は「やはりツツジは桜と並んで地元の人間にとって大切な存在」と話し、「大きく育ててたくさんの人に見に来てもらい、町の復興につなげたい」と願う。
 NPO法人の本田紀生理事長は「県外の人に里親になってもらうことも考えている。ツツジを通して富岡ファンを増やし、町の現状を全国に発信していく」と意気込む。


2020年08月20日木曜日


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