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建設現場の石綿被害で東北初の提訴 元労働者ら国などに賠償請求 仙台地裁

横断幕を掲げ、仙台地裁に入る元労働者の弁護団と支援者=26日午前11時ごろ、仙台市青葉区

 建設現場でアスベスト(石綿)の粉じんを吸い込み、罹患(りかん)または死亡したとして、宮城、岩手両県などの元労働者と遺族計10人が26日、国と建材メーカー12社に計2億6950万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。建設現場での石綿被害を巡る提訴は東北で初めてとみられる。
 元労働者側の弁護団によると、請求額は元労働者1人当たり3850万円。原告は60、70代の男性3人と死亡した4人の遺族7人。同種訴訟の先行判決で、救済対象とするか判断が分かれた個人事業主を含む。
 訴えなどによると、元労働者7人は1960年代以降、東北や東京の工場で建設作業に従事。現場で建材に含まれた石綿の粉じんを吸い、悪性中皮腫や肺がんなどと診断され、いずれも労災認定を受けたという。
 元労働者側は、国が石綿の危険性を認識し、適切な措置を講じなければ、関連疾患が大量発生すると、遅くとも71〜72年に予見できたと指摘。防じんマスクの着用義務付けや石綿吹き付けの全面禁止などを怠った対応は違法と主張する。
 危険性を警告せず、石綿を使い続けたとして、メーカーの責任も追及する。
 提訴後、仙台市内であった元労働者側弁護団の記者会見で、原告の2人が電話を通じて被害の深刻さを訴えた。
 肺がんと診断され左の肺をほぼ切除した宮城県の60代男性は「5分も歩けば、重い息切れや呼吸困難になる」と語った。夫を亡くした岩手県の女性は「真面目に働いた人がなぜ、こんな目に遭わなくてはいけないのか。平等で迅速な被害救済を望む」と述べた。
 厚生労働省の担当者は「訴状が届いておらずコメントは控える」と話した。


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2020年08月27日木曜日


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