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復興五輪の先行きに懸念 「推進の立役者」安倍首相が退陣表明

 1年延期になった東京五輪・パラリンピックで、安倍晋三首相は大会の招致段階から「復興五輪」に言及してきた。コロナ禍で薄れつつあった開催理念は、大きな後ろ盾を失って先行きが懸念される。
 五輪に関わる東北の競技関係者からは不安の声が漏れた。石巻市出身でカヌー日本代表強化委員長の木村文浩さん(54)は「最近は『復興五輪』という言葉を聞かなくなって、少し寂しいと感じていた。首相は後押ししてきてくれただけに、できればあと1年やってほしかった」と語った。
 五輪では宮城県でサッカー10試合、福島県でソフトボール6試合、野球1試合が行われる。世界最大級のスポーツの祭典に向け、安倍首相はこれまで「見事に復興を成し遂げた姿を世界に向けて発信したい」と意欲を示していた。
 宮城県五輪・パラリンピック大会推進課は「安倍首相の思いは後継に引き継がれるだろう」と受け止めつつ、「状況を注視し、開催に向けて準備する」と気を引き締めた。
 復興五輪事業について、2020東京五輪・パラリンピック組織委員会の事務局は「驚きはあったが、事務レベルでの作業は内閣官房などと進めてきている。開催に向けてやるべきことは変わらない」と強調した。
 震災時に支援を受けた国との交流に主眼を置いた国の「復興ありがとうホストタウン」事業。チュニジアを相手国に登録している石巻市の担当者は「復興五輪推進の立役者だっただけにかなり影響が出るのではと心配している」と戸惑いを隠さなかった。


2020年08月29日土曜日


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