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南三陸、オンライン体験「ツアー」事業化へ 商品介し生産者と交流も

震災復興祈念公園でカメラに向かって状況を説明する職員。津波で被災した町防災対策庁舎も写る=27日、宮城県南三陸町
画面上でワカメを使った料理を披露する大正大の学生たち

 宮城県南三陸町の一般社団法人南三陸研修センターがビデオ通話を活用した「オンラインツアー」の事業化に取り組んでいる。新型コロナウイルスの影響で実施が難しくなった研修旅行に代わる事業として企画。町を襲った東日本大震災の記憶を伝え、地元生産者らとの交流を通じて新たな学びの機会を創出する。
 初回のオンラインツアーは27、28の両日、大正大(東京)の講義の一環で実施された。学生と教職員計24人が参加し、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使って自宅などからツアーを体験した。
 被災地視察は中学生の時に震災を経験したセンターの職員がガイドを務めた。震災復興祈念公園や、高さ約22メートルの津波に襲われた旧戸倉中校舎(現戸倉公民館)を回り、写真を見せながら当時の状況を説明。公園の祈りの丘では、志津川地区の平均津波高16.5メートルと同じ高さの場所から町を見渡した風景を紹介した。
 水産加工や農業に携わる地元生産者との交流では、参加者に事前に商品を送り、画面越しに仕事に懸ける思いや目標を聞いた。実際に南三陸町産の塩蔵ワカメを使った料理コンテストもあり、学生たちが考案した料理を画面上で披露した。
 4年の篠崎美和さん(21)は「思ったよりも現地にいるような感覚になった。新たなつながりの形として有効だと思う」と話した。
 南三陸研修センターは町内で宿泊研修施設「南三陸まなびの里いりやど」を運営する。大学や企業の研修旅行受け入れが事業の柱だが、新型コロナの影響でキャンセルが相次ぎ大きな打撃を受けた。
 9月には東京の小学校を対象にオンラインによる教育旅行を企画している。企画広報担当の浅野拓也さん(32)は「オンラインだからこそできることもある。事業化に向け、内容を磨き上げていきたい」と意気込む。


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2020年08月30日日曜日


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