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自民総裁候補に菅義偉氏 秋田・湯沢出身、「おらほの首相」古里期待

昨年7月の参院選で湯沢市を訪れ、市民らと握手を交わす菅氏=市役所前
菅氏が生まれ育った湯沢市秋ノ宮。山あいに人家や田畑が集まる

 退陣表明した安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選で、秋田県湯沢市出身の菅義偉官房長官(71)が有力候補に浮上し、古里で期待感が高まっている。総裁選で勝利すれば、秋田県出身者としては初の首相となる。東北出身者では1980〜82年に務めた故鈴木善幸氏(岩手県山田町出身)以来、戦後2人目。

 菅氏は市南東部の秋ノ宮地区で生まれ育った。秋ノ宮小、秋ノ宮中で同級生だった無職菊地洋一さん(71)=湯沢市=は「黒子に徹した、たたき上げの政治家。秋ノ宮から出た彼が首相になったら、こんなにうれしいことはない」と話す。
 新内閣は新型コロナウイルスという難題に直面する。菊地さんは「最も大変な時期でさまざまな苦難があると思うが、陣頭指揮を執り続けると腹を決めたのだろう」と語る。
 湯沢高で2学年後輩だった鈴木俊夫湯沢市長(70)も取材に「後輩の面倒見がいい人で、私たちにとって一番頼りになる政治家だ。コロナ危機のさなかにあり、官房長官として8年近く政権中枢で腕を振るってきた菅さんの安定感が求められている」と述べた。
 菅氏は高校卒業後に上京し、段ボール工場で働いていたが、一念発起して法政大に学んだ。故小此木彦三郎衆院議員の秘書を経て、横浜市議を2期務めた。1996年の衆院選神奈川2区で初当選した際には故郷の秋ノ宮で菅氏を祝う花火が打ち上げられたという。
 秋ノ宮の歴史に詳しい郷土史家の簗瀬均さん(62)=湯沢市=は「義偉さんを見ていると父親の和三郎さんの姿が重なる」と言う。
 2010年に92歳で死去した和三郎氏は、冷涼な秋ノ宮で栽培した夏イチゴを首都圏や関西圏などに出荷して成功を収めた。1964年から旧雄勝町議を4期16年務めている。「人の話をよく聞き、朗らかで率直な人柄だった。義偉さんは親の地盤を継いだ世襲議員ではないが少年の頃から父親を通じて政治が身近にあった。古里に政治の原点があるのは間違いない」とみる。
 総務相時代に菅氏が提唱したふるさと納税を例に挙げ、簗瀬さんは「農村で生まれ育ち、地方の実情が分かる。途上にある東日本大震災の復興にも力を尽くしてほしい」と願う。
 東北出身の首相は鈴木氏のほか、戦前に原敬、斎藤実、米内光政の3人(いずれも岩手県生まれ)がいる。


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2020年09月01日火曜日


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