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台風19号で犠牲者13人、いわき市の情報伝達「不十分」 検証委が改善要求

清水市長(左)に最終報告書を手渡す福迫委員長

 昨年10月の台風19号で計13人(災害関連死などを含む)が犠牲となった福島県いわき市の災害対応検証委員会が31日、最終報告書をまとめた。高齢者ら情報弱者への情報伝達が不十分だったと指摘し、改善を求めた。新型コロナウイルスの感染対策として避難所の増設や分散避難の促進も盛り込んだ。
 緊急速報メールや会員制交流サイト(SNS)などで伝えた災害情報に関して内容が分かりにくく、具体的な地名がなかったため住民の避難行動につながらなかったと結論付けた。切迫性の不足も指摘した。
 改善策として、文面の分かりやすい表現の工夫に加え、自主防災組織の代表者や民生委員に配った防災ラジオの配布対象を高齢者に広げるべきだと提言。防災行政無線の増設検討や消防サイレンの有効活用の必要性に言及した。
 避難所運営では一部に避難者が集中し、受け入れが困難になった事態を踏まえ増設を要望。高台にある公共施設や民間施設の利用検討を促した。分散避難の実現に向け、事前の避難行動計画(タイムライン)の作成を通した避難意識の醸成を呼び掛けた。
 新型コロナ対策としては消毒液の備蓄やスペースの確保のほか、安全な場所での自動車避難、在宅での垂直避難、友人・知人宅への避難など多様な方法の周知をすべきだとした。
 委員長を務めた福迫昌之東日本国際大副学長は「感染症対策を考えると事前準備が重要になる。市民の意識向上を図る取り組みをしてほしい」と話した。清水敏男市長は「行政だけでは限界もある。民間の力を借りた避難所の増設や運営を検討したい」と述べた。


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2020年09月01日火曜日


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