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子牛も飼料も設備も… クマ侵入で相次ぐ畜産被害 秋田

子牛が被害に遭った牧場。飼料タンクのパイプにも穴が開けられた=秋田県鹿角市十和田

 秋田県で今夏、クマによる畜産関係の被害が相次いでいる。7、8月に畜舎に侵入し飼料を食い荒らした事例が8件あり、鹿角市では子牛が被害に遭うケースも発生した。人を恐れず堂々と畜舎に出入りしている可能性があり、関係者は危機感を募らせる。県は「畜舎にクマが通うようになれば、人身事故のリスクは跳ね上がる」と注意を呼び掛けている。
 7、8月に確認された被害の場所は養鶏場や牛舎、養豚場など。デントコーンといった飼料の食害や畜舎・付帯設備の破損が各地で発生した。
 鹿角市の牧場では8月11日未明、牛舎内で子牛1頭が食い殺されているのを所有者の60代男性が発見した。男性は牛舎から体長約1メートルのクマが逃げ出すのを目撃しており、17日には別の子牛が襲われた。
 この牧場では最初の被害の際に牛舎の窓や扉といった設備の破損のほか、子牛用ミルク、成牛用飼料の食害があった。
 県ツキノワグマ被害対策支援センターの近藤麻実主任は「クマは学習能力が高く、一度餌が手に入った場所に何度も現れる傾向がある。電気柵などを設置し、侵入するきっかけをつくらせないことが重要だ」と指摘する。
 畜産被害の発生を受け、県は8月28日、緊急対策会議を開催。市町村や畜産団体の関係者ら約50人に被害状況などを説明した。
 本年度のクマの目撃情報(8月24日現在)は662件となっており、19年度1年間の合計(672件)とほぼ同じ。人口減などでクマの生息域が拡大しており、対策会議では「クマの生息数も年々増加しているように感じる。いつ地域で被害が出るか分からず不安」といった声が上がった。
 クマを呼び寄せない対策として、県は飼料を屋内で保管することや死亡した家畜の放置を防ぐことなどを提示。リーフレットを作成し畜産農家に配った。
 県畜産振興課の畠山英男課長は「畜舎の中にまでクマが入ってきていることに危機感を抱いている。関係者と情報共有し、被害が拡大しないよう努める」と話した。


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2020年09月04日金曜日


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