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ツール・ド・東北 ORANGE RANGEがテーマソング制作、HPで公開

オンラインでツール・ド・東北2020のテーマソング制作について語るYOHさん

 沖縄県在住の人気バンド「ORANGE RANGE(オレンジレンジ)」が、東日本大震災の被災地復興を支援する自転車イベント「ツール・ド・東北2020」の大会公式テーマソング「Imagine(イマジン)」を制作した。今月19、20の両日に開催予定だった大会は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、特設ホームページ(HP)で楽曲の特別映像が公開されている。
 震災後、被災地を継続的に訪れているメンバーのYOHさん(36)が中心となり、作詞作曲した。歌詞に宮城県内の大会コースのエイドステーション(休憩所)となった地名を盛り込み、明るく爽やかな曲に仕上げた。
 海沿いのコースを駆け抜けるライダーや、震災から立ち上がる被災者の姿を思い浮かべながら、約3カ月かけて曲のイメージを具体化させたという。
 震災当時の感情が忘れ去られていく状況を「僕らの忘れ物」と表現した。YOHさんは「時間の経過とともに当時の空気感が薄まっていく。あの時の気持ちを忘れずに、前を向いて歩んでほしいという思いを込めた」と強調した。
 ツール・ド・東北は河北新報社とヤフーが主催。両社は大会のオンライン企画を30日まで開催する。

◎YOHさんオンラインでエール/被災地 笑顔で会おう

 「ツール・ド・東北2020」の大会公式テーマソング「Imagine」の制作の中心を担ったオレンジレンジのYOHさんは、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県で支援活動を続けてきた。11日で震災発生から9年半となる被災地への思いをオンライン取材で聞いた。

 −被災地で活動を始めたきっかけは。

 「震災の約2週間前に全国ツアーで仙台、盛岡、いわき各市を訪れていた。被災地の人たちや、自分たちの音楽を聴いてくれている人たちが心配だった。自分の目で被災地を見なければ音楽に向き合えないと思い、震災から約3カ月後に石巻市を訪れた」
 「潮風は沖縄と同じなのに、がれきの臭いが混じり、今までにない無力感を覚えた。気持ちにふたをせず、できることを探したいと思った」

 −震災後、避難所での炊き出しやライブなど支援活動を続けている。

 「震災から半年後の9月11日、宮城県女川町の避難所で、女性から『行方不明の息子がオレンジレンジが好きだった』とサインをお願いされた。遠い出来事ではないと実感した。被災地での経験を一つ一つ積み重ね、向き合っていきたい」

 −震災は音楽活動に影響を与えたか。

 「実際に見た風景や交わした言葉を、歌詞と照らし合わせるようになった。自分の中のハードルを越えてこなければ、もう一度書き直している。古里をテーマにした曲を作ったときは、特に大きな影響を受けた」

 −震災発生から間もなく9年半となる。

 「交流を続けてきた石巻市小渕浜の子どもたちが、今では大学生や立派な漁師になり、成長の早さを感じた。防潮堤工事が進み、風景が変化していく一方で、海の美しさは同じ。変わっていくところと、変わらない部分のコントラストを被災地に行くたび感じる」

 −被災地の宮古や大船渡、石巻各市などを巡るツアーを計画している。

 「被災地のライブハウスを一気に回るツアーは今回が初めて。楽しみにしていたが(新型コロナの影響で)延期になった。沖縄と東北の距離は離れているけれど、笑顔で再会できたら最高だと思う」


2020年09月06日日曜日


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