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松枯れ防止へ免疫力アップ 宮城県内の2社、活性剤実証試験

植物活性剤の効果を確認する実証試験

 松島湾などで問題となっている松枯れの防止につなげようと、宮城県内の二つの事業者が県林業技術総合センター(大衡村)で実証試験に取り組んでいる。それぞれが開発した「免疫力」を高める植物活性剤を苗木に与え、松くい虫への抵抗力向上に科学的裏付けが得られるかを確認する。4カ月間にわたって経過を観察しており、今月にも結果が判明する。


 参加したのは緑化事業などを手掛ける丹勝(仙台市)と、植物活性剤生産・販売のゆめみオーガニックファーム(大郷町)。産学連携の一般社団法人アグロエンジニアリング協議会(仙台市)が音頭を取った。
 松枯れの原因は体長1ミリに満たないマツノザイセンチュウで、木の中に入って水を吸い上げる能力を妨げて枯れさせる。若い枝の樹皮を食べるマツノマダラカミキリに寄生し、かみ傷から侵入するという。
 実証試験は5月中旬に始めた。用意したアカマツとクロマツの苗木計300本のうち、両社が100本ずつに植物活性剤を与え、残る100本はそのままにした。6月上旬には全ての苗にマツノザイセンチュウを人工接種し、それぞれの変化を比較している。
 丹勝の植物活性剤は木材チップや米ぬか、石灰を混ぜ合わせた上で発酵させた。ゆめみ社はカキ殻を焼かずに粉にし、植物が分解されてできたフミン酸を混ぜ合わせた。ともに松に栄養を行き渡らせて樹勢を保ち、害虫から身を守る「松ヤニ」を多く分泌させる作用があるという。
 県内の松くい虫被害は2019年度、東松島市や松島町を中心に計約9600立方メートルに上った。県は対策として被害を受けた木の伐採駆除のほか、予防のため薬剤の散布と樹木への注入を実施している。
 協議会会長で、東北福祉大総合マネジメント学部の鈴木康夫教授は「(薬剤を使う)既存の手法には健康被害や高コストといった課題がある」と指摘し、「松枯れ防止には免疫力を高める方法もあると科学的データをもって証明し、松島の松を守る地元の技術として発信したい」と話した。


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2020年09月07日月曜日


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