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「看板」失い覚悟の再出発 福島・中合の旧テナントが移転再開

再出発したフィオーレで客(右)に商品を案内する店員

 8月末に閉店した福島市栄町の老舗百貨店「中合福島店」にテナントとして入居していた婦人服店が、別の雑居ビルに移って新たなスタートを切った。中合の旧テナントはほかにも14店が移転を予定し、各店は営業継続に向け決意をにじませる。

 JR福島駅東口の中合から500メートル東にある同市大町の雑居ビル1階に5日、婦人服店のフィオーレがオープンした。従業員2人の雇用を維持し、約80平方メートルのこぢんまりとした路面店として再開した。
 中合での営業は2年で終わった。運営会社の英(はな)インターナショナル(東京)の林一雄社長は3年前、当時テナントがあった旧さくら野百貨店仙台店(仙台市青葉区)の閉店も経験した。
 「一時はどうするか悩んだが、福島の従業員の『働き続けたい』という熱い思いに押された。まずは常連客に喜んでもらえる店舗運営を目指す」と語る。
 福島市によると、中合に入居していたテナント106店のうち20店ほどが営業継続を検討し、再開第1号のフィオーレを含む15店が既に移転先を決めた。
 手芸店のウィステリアは10日、近隣の商業ビルAXC(アックス)にオープンする。従業員4人。島貫香理店長は「新型コロナウイルスの感染拡大も重なって苦境の中での再出発になるが、多くのお客さまに訪れてもらえる店にしたい」と意気込む。
 市中心部は空き店舗が目立ち、市はこれまでも賃料や改装費の補助制度を設けて移転を促してきた。ただ中合閉店で駅前経済の地盤沈下に拍車が掛かったとの指摘もあり、関係者は「周辺の商店と一緒になって人を呼び込む仕掛けづくりが必要だ」と強調する。
 市産業雇用政策課の担当者は「旧テナントは中合という大きな看板を失い、ハンディを抱えた中での再出発となる。駅前のにぎわい創出策を検討する」と話す。


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2020年09月09日水曜日


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