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震災9年半 明治・昭和の教訓刻む石碑発見 震災津波で流失、再設置へ

6月に見つかった石碑。「地震があったら津浪の用心」と刻まれている

 東日本大震災の津波で流失した明治三陸大津波(1896年)と昭和三陸津波(1933年)を伝える石碑が、宮城県気仙沼市の景勝地「岩井崎」付近で9年以上の時を経て見つかった。市は過去の津波の教訓を後世に残すため、元々あった場所付近に石碑を再建する。
 石碑は今年6月に岩井崎付近の防潮堤工事現場で発見され、市に連絡があった。高さ160センチで幅73センチ、厚さは39センチ。同市波路上崎野の波路上共葬墓地にあったが、震災の津波で墓地が被災し石碑は流され行方が分からなくなっていた。
 表には「地震があったら津浪(波)の用心」と大きく刻まれている。明治津波の教訓で住宅などを高台移転し、昭和津波では被害を免れたという趣旨の記載もある。青森、岩手、宮城に約300基ある明治三陸大津波、昭和三陸津波やチリ地震津波を伝える石碑の一つとみられる。
 震災前、石碑は共葬墓地の象徴的存在だったという。地域住民や近くの寺院から再設置を望む声があり、市は年度内に元の場所に完成予定の波路上共葬墓地に石碑を再建する方針。石碑の隣には、津波襲来時の避難先となる階上中までの距離や方向を示す看板も設置するという。
 石碑は一時的に、市内の石材店が保管している。震災の津波の脅威を伝えるため、流出で付いたとみられる表面の傷はあえて残す方針という。
 波路上地区にある地福寺の片山貴道住職(33)は「大きな防潮堤ができて油断すれば、また同じ被害に遭ってしまう。石碑に刻まれた言葉の通り、地震が来たらすぐに逃げるという考えを地域で共有していきたい」と話している。


2020年09月12日土曜日


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