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大崎・古川の渋井川堤防、復旧本格化 住民側、全体の強化要望

ブルーシートで覆われた決壊地点の外側で始まった仮堤防の工事=15日、大崎市古川
渋井川の氾濫によって浸水被害を受けた住宅=昨年10月13日

 宮城県は、昨年10月の台風19号豪雨によって氾濫した大崎市古川の渋井川で、堤防の本格的な復旧工事を始めた。2015年9月の関東・東北豪雨(宮城豪雨)では3カ所が決壊して約400世帯が浸水被害を受けた。周辺住民は「3度目の被害を防ぐため堤防全体の強化を急いでほしい」と要望する。
 渋井川の氾濫は2回とも、多田川との合流地点の手前で発生した。多田川の水位が上昇して渋井川の水が行き場を失い、急激に増水したとみられる。
 渋井川の西側の右岸は、水田地帯で住宅は少ない。一方の左岸側には新興住宅街が広がる。15年の決壊地点はいずれも左岸で、住宅地を含む430ヘクタールが浸水した。
 昨年は、右岸側1カ所が決壊。左岸1カ所でも越流があり、のり面が崩れた。市によると、床上浸水の11世帯を含む計49世帯が付近で被害を受けた。近くに住む女性は「昨年も左岸が先に決壊したら被害はもっと大きかったはず」と顔を曇らせる。
 県北部土木事務所は今年8月以降、応急処置をした決壊部分を囲むように仮の堤防を造る工事を始めた。堤防を築き直して護岸に遮水シートなどを張り、本年度中に完成させる予定だ。のり面が崩れた左岸でも10月から同様の工事をする。
 また、合流地点では水門とポンプ場を整備する予定。豪雨で多田川の水位が上昇した場合、渋井川の水門を閉めてポンプ場から排水する。本年度中に水門整備を発注し、いずれも23年度の完成を目指す。
 渋井川は明治時代、堤防がない状態で氾濫を繰り返した。1909年、住民らが「渋井川水害予防組合」を設立。主に水田から土を集めて盛り土をしたとされ、堤防に不向きな砂や、さらに細かなシルトが多く含まれる。県は今年、堤防の土質を再調査し、強化が必要な区間と工事日程を検討している。
 住民組織「渋井川の安全を望む会」の相沢克己代表(75)は「復旧工事の本格化は大変ありがたいが、住民の不安はまだ消えていない」と話し、治水対策の充実を求める。


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2020年09月21日月曜日


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