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故佐藤忠良さんの家族、宮城県美術館移転に反対 「壊されれば父悲しむ」

忠良さんの家族のメッセージを代読する県美ネットのメンバー=16日、県庁

 仙台市青葉区の県美術館を宮城野区に移転する県の方針案について、大和町出身の彫刻家、故佐藤忠良さんの家族が反対の意思を明らかにした。市民団体「宮城県美術館の現地存続を求める県民ネットワーク」(県美ネット)が16日にメッセージを公開した。
 忠良さんの長男で東京都の医師佐藤達郎さんは「(県美術館に併設する)佐藤忠良記念館と美術館の移転を、遺族として、作品の著作権継承者として許すことはできない」と手書きの文書を託した。
 長女で俳優の佐藤オリエさんは「父は建物の設(しつら)えや周囲の環境、作品の展示や保管方法など熟慮された県の建設計画に納得し、作品の寄贈と記念館設立に合意した。記念館は県民の皆さまの熱意と父がつくり上げた稀有(けう)な美術館」と主張。
 「壊されれば二度と同じものは作れない。父の悲しみが伝わってくる。作品を後世に伝えたいという県の真摯(しんし)な思いと、父の信念から生まれた記念館は現在の場所こそふさわしい」との声を寄せた。
 県美ネットは、美術館の現地存続を求め、反対活動を続けている。共同代表の西大立目祥子さんは「佐藤忠良記念館や美術館は、県と作家が慎重に信頼関係を築いて完成した。作家に断ることなく突然、移転方針を打ち出した県のやり方は信頼を大きく損なう」と語った。
 佐藤忠良記念館は1990年6月、県美術館の棟続きとして県が開設。彫刻167点のほか、デッサンや油彩画・版画など忠良さんの作品約560点を収蔵する。建設に際しては山本壮一郎元知事や加藤陸奥雄元県美術館館長が、忠良さんを数度にわたって説得し、了承を得た経緯がある。


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2020年09月22日火曜日


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