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塩釜の歓楽街・尾島町ひっそり 県がコロナ複数感染の店名公表 「完全には防げない」休業相次ぐ

ほとんどの店が休業し、人通りのない繁華街=21日午後8時25分ごろ、宮城県塩釜市尾島町

 宮城県塩釜市周辺での新型コロナウイルス感染拡大を受け、繁華街の同市尾島町で休業する飲食店が相次いでいる。県は19日、従業員や利用客ら、複数人の感染が確認された尾島町のすし店名を、不特定多数に感染が広がる恐れがあるとして公表。翌日以降、休業する店は全体の9割以上に及ぶ。経営者たちは「身近な店の感染で対策をしても完全には防げないと改めて分かった。客に感染させるのが怖い」と口をそろえる。
 21日午後7時すぎ。100以上の飲食店が軒を連ねる尾島町内の道は暗く、歩く人影もまばらだった。「感染者が急増しているため、しばらく休みます」。各店の扉には、休業を告げる張り紙が掲げられていた。
 ある居酒屋は19日から休業中。経営する女性(52)は「保健所に開けてよいと言われたが、お客さんは不安がって来ない。家賃の支払いもあり、いつまでも休めない。状況を見ながら再開する」と打ち明ける。
 この店では入店前に客の検温や手指消毒を実施。東京など感染者が多い地域からの客は断っていた。女性は「予約制にして地元や常連の客以外は入れていない。それでも防げるか分からないので、客とすぐ連絡を取れるようにしないといけない」と話す。
 県内で8月26日〜9月18日に確認された新規感染者159人のうち、塩釜市と近隣の多賀城市、七ケ浜、利府両町の住民は計67人で42%を占める。県は18日、対策徹底を訴える「緊急警報」を初めて出し、感染拡大予防ガイドラインを順守していない店の利用自粛を呼び掛けた。
 営業を続ける店も不安が付きまとう。飲食店経営の女性(74)は「常連から予約があるので開けているが、知り合いの店が閉めている中で営業するのは罪悪感がある。対策をした上でクラスター(感染者集団)が発生しないよう祈るしかない」と語る。
 休業を決めた店名を挙げて「従業員や客が感染した」という心ないデマ情報が流れ、店側が張り紙や会員制交流サイト(SNS)で否定する事態も起きている。佐藤光樹市長は「感染した人や患者が利用した店に対し、中傷や差別をするのは控えてほしい。感染拡大防止のため、冷静な行動をお願いしたい」と呼び掛ける。


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2020年09月23日水曜日


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