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花巻温泉、東北各地から修学旅行客集める 3密対策に安心感

花巻温泉に到着した坂元中の修学旅行生=9日

 東北最大級の温泉宿を運営する岩手県花巻市の花巻温泉が、東北各地から修学旅行の受け入れを大幅に伸ばしている。新型コロナウイルスの影響で、今年は9〜11月にシーズンがずれ込んだ。合計400室以上のスケールメリットを生かした「3密」回避対策で安心感を与えている。
 花巻温泉は4館を運営。このうちホテル千秋閣(182室)、ホテル花巻(102室)、ホテル紅葉館(138室)が修学旅行向けとなっている。渡り廊下でそれぞれの大浴場に行き来でき、食事会場になる宴会場は計約20カ所ある。
 広さを生かし、(1)定員5人の和室を2人から使用可(2)フロア貸し切りにも対応(3)食事は学校別に宴会場を用意し、広さを確保(4)大浴場は学校ごとに貸し切り時間を用意−などの新型コロナ対策を講じた。
 6月に売り込みを始めると、修学旅行の行き先変更を迫られた東北の各校が注目。昨年度は13校(866人)だった東北の小中高生の修学旅行が、本年度(予約含む)は96校(5702人)に急増した。
 北海道や首都圏からの修学旅行は減少したが、全体では昨年度の66校(7522人)に対し、本年度(予約含む)は152校(1万1796人)と、学校数を2.3倍に伸ばした。
 9日は宮城県山元町の坂元中が訪れた。引率の仙台晶子校長は「部屋を広く使えることやホテルの対応など安全性から選んだ」と話す。岩手県は宮沢賢治記念館(花巻市)や中尊寺(平泉町)など見どころが多く、新型コロナの感染者が長期間、未確認だったことも理由だという。
 セレモニーで生徒代表の3年佐藤和音(かずなり)さん(14)は「このような状況下、受け入れてくれてありがとうございます」と宿に感謝。花巻温泉の佐藤寿美セールス部長は「修学旅行生が来ると、地域の関連業界が活気づく。安全に旅ができるよう命懸けで迎えたい」と話した。
 花巻温泉によると、昨年9月に開館した岩手県東日本大震災津波伝承館(陸前高田市)を訪問する学校も多く、「岩手は修学旅行先にふさわしい」との声も寄せられる。安藤昭社長は「岩手を初めて訪れて良さが分かってもらえれば、来年度以降も選んでいただける可能性がある」と期待する。


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2020年09月24日木曜日


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