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「避難不安」「経済活性化」 石巻市議会の女川原発再稼働容認で市民の思いさまざま

女川原発2号機再稼働に賛成する陳情の採決を見守る傍聴者=24日午後2時25分ごろ、石巻市議会
東北電力が再稼働を目指す女川原発2号機=2月

 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に24日、石巻市議会が「同意」した。重大事故時に14万人余りの全市民が避難を強いられる計画への不安や経済活性化への願いを背景に、市内で賛否の声が入り交じる。原発がもたらすリスクと恩恵に市民の胸中はさまざまだ。
 「道路整備など広域避難計画の課題が解決されないまま、市議会の結論が出てしまった」
 原発から南西に約7キロで牡鹿半島中部の石巻市福貴浦に住む無職岩渕恒さん(67)が先行きを案じる。9年半前の東京電力福島第1原発事故で避難したきり二度と自宅に戻れなくなった人々の姿が脳裏をよぎる。
 避難計画は原発30キロ圏内に当たる全市民が対象。原発からの距離によって避難方法が異なり、地区ごとの避難先も県内の計約30市町村に分かれる。岩渕さんは「パニックに陥る中で皆が計画に沿って動くとは到底思えない」と憂慮する。
 半島の南端にあり、211事業所が加盟する市牡鹿稲井商工会は5月、早期再稼働を求める陳情書を市議会に提出した。経済を回し、温暖化対策を進めることなどを理由に挙げる。
 東日本大震災の復興需要の減少に加え、新型コロナウイルス禍で地域経済の情勢は悪化している。斎藤富嗣会長は市議会の賛成陳情の採択を受け、「議会で総合的な判断がなされた結果だ」と安堵(あんど)した。
 ただ、大事故が起きれば半島住民の大半は原発に近づく形での避難を余儀なくされる。斎藤会長は「避難計画の実効性向上を進めてほしい」と注文を付けた。


2020年09月25日金曜日


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