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サンマ不漁深刻 気仙沼の水揚げゼロ 冷凍の在庫、底突く

出漁せず停泊中の小型サンマ船=28日、気仙沼港
魚の缶詰を製造するミヤカンの工場。冷凍サンマの在庫は少なくなっている=28日、気仙沼市本浜町

 サンマが深刻な不漁に見舞われる中、2014年に水揚げ量本州1位となった実績を誇り、17年以降は宮城県内でトップを維持する気仙沼漁港で、今季初水揚げの見通しが立っていない。これまで最も遅かったのは9月11日(13年)で、2週間以上も記録を更新。気仙沼市の水産加工会社や漁業者は焦りを募らせる。

 市内の缶詰製造会社「ミヤカン」は、昨年水揚げされた冷凍サンマの在庫が底を突きつつある。販売先にサンマ商品の「休売」を伝える書面を既に用意した。
 サンマ缶は直売イベントで常に売り上げ1位となるなどファンが多いが、不漁続きで毎年のように値上げを余儀なくされている。
 「サンマは秋を感じられる人気商品。楽しみにしている方に早く届けたいが…」。福島庸夫社長(53)は嘆く。水揚げを待つ一方、工場の稼働率を下げないよう、イワシの新商品を開発するなど対策も講じる。
 小型サンマ船は漁場が遠く、操業さえできずにいる。イワシなど別の魚種に切り替える船もあるが、サンマの減収を補うのは難しいとみられる。
 気仙沼市本吉町の第38小金丸(19トン)は8月10日の漁解禁日の数日前、北海道釧路港で出漁に備えた。仲間の情報では、魚群がいる可能性があるのは大型船でも到達まで3、4昼夜かかる北太平洋沖の公海。小型船では燃料代を考慮すると採算が取れない。「北海道にいても仕方がない」と同月下旬、気仙沼に戻った。
 昨季の水揚げもわずか5回ほど。収入がなくても船員5人の給料は支払わなければならず、赤字だった。
 漁労長の千葉隆さん(68)は「20年以上やっているが、まさかこんな時が来るとは」と、出漁のたびに魚で満船にした全盛期を懐かしむ。「この状況が続けば、別の漁への転換も考えざるを得ない」とこぼす。
 苦境にあえぐ水産業への支援について、菅原茂市長は「不漁を通り越して水揚げゼロに近く、市ができる範囲をはるかに超える」との認識を示し、「国際的な資源管理対策を緊急に講じる必要がある」と訴える。


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2020年09月29日火曜日


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