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福島原発集団訴訟控訴審あす判決 国の責任、仙台高裁が初判断へ

 東京電力福島第1原発事故を巡り、福島県と宮城や茨城など隣県の住民約3650人が、空間放射線量の低減による原状回復と回復まで1人当たり月5万円の慰謝料の支払いなどを国と東電に求めた訴訟の控訴審判決が30日、仙台高裁で言い渡される。国を被告に含む原発集団訴訟で、初の高裁判決となる。

◎賠償額や対象が焦点

 住民側、国・東電側双方の主な争点に対するこれまでの主張は表の通り。2002年に政府機関が公表した地震予測「長期評価」の信頼性や国の賠償基準の中間指針の妥当性を巡る認識に隔たりがある。
 控訴審は18年10月に始まった。福島県内の複数の地域で、一審の結審後に避難指示が解除されたことから、住民側は解除後も地域の生活基盤が整わない実情を強調。一審で認容された賠償額のさらなる上積みや賠償対象となる地域の拡大などを求めた。
 控訴審で、高裁は原告15人の本人尋問を実施。19年5月に福島県富岡町の帰還困難区域や浪江町の旧避難指示区域を裁判官が訪れ、被害の状況を確認した。
 17年10月の福島地裁判決は、長期評価などを基に国と東電が巨大津波を予見できたと指摘。東電に規制権限を行使しなかった国の対応は著しく不合理だとして国の賠償責任を認め、東電と連帯し一審の原告約3800人中約2900人に計約5億円の賠償を命じた。
 地裁判決は福島市を含む自主的避難等対象区域の住民らに、指針に基づく賠償を上積みするよう命令。指針の対象外とされた茨城県日立市などの住民にも慰謝料を認めた一方、原状回復の請求は「除染工事の内容が特定されていない」として退けた。
 住民側と国・東電側の双方が控訴。原告の数は同種訴訟で最も多く、事故後も避難せず、地元に残った住民が大半を占める。同種訴訟の全国の地裁判決は国の責任を巡り、判断が分かれた。


2020年09月29日火曜日


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