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福島・田村産ホップで地ビール醸造始まる 「復興のシンボルに」

7種類のクラフトビールを紹介する本間さん
醸造所であった田村産ホップの仕込み式=30日、田村市都路町

 東京電力福島第1原発事故で一時避難指示が出された田村市都路町にあるビール醸造所で、田村産のホップを使ったクラフトビール醸造がスタートした。醸造所を運営するホップジャパン(同市)は「原発事故後に冷え込んだ都路地区の地域経済を活性化させ、復興のシンボルとなるビールにしたい」と意気込む。
 ホップジャパン社長の本間誠さん(54)は元東北電力社員。休職し、2年間滞在した米国でクラフトビールに出合った。各地にそれぞれ味の異なるビールが根差す独特の文化に魅力を感じ「いつか日本で醸造所を造りたい」と夢を抱いた。
 帰国した直後、東日本大震災と原発事故が発生。広報担当として原発を案内する仕事などに携わっていただけに、原発の安全神話に疑問を感じたという。人生観も大きく変わり「自分が本当にやりたいことをやろう」と退社した。
 2015年に仙台で起業後、福島のファンドから支援を受けて18年に都路に移った。今年8月完成の醸造所は観光施設「グリーンパーク都路」内の原発事故後に使われなくなった農園施設を活用。福島県内でホップを作っている農家はなかったが、地元の3農家と協力して17年に栽培を始めた。
 30日、100%田村産の生ホップを使った「Abukuma FRESH(アブクマフレッシュ)」の仕込み式があった。約2週間かけて、ホップの香りや苦みをしっかり感じられる味わいに仕上げる。
 醸造所では1日当たり最大2キロリットルのビールを生産できる。苦みが強いドライなタイプからフルーティーな味わいまで順次7種類を仕込み、年間計70キロリットルの生産を目指す。
 本間さんは「ホップを作り始めて4年目で、やっと商品化できる喜びでいっぱい。田村の新しい産品として愛されるビールを造りたい」と話した。
 アブクマフレッシュは330ミリリットル入り1本600円で、他の6種類は1本580円。10月上旬にも醸造所やインターネット通販などで販売を始める。


2020年09月30日水曜日


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